健診だ。
ぽ子は検査が大好きなので、キッチリ決まりを守り、問診表も嘘なく書き込み、会場である病院へ向かった。
視力も聴力も問題なし、採血も心電図測定も滞りなく終わり、医師の診察を残すだけとなった。
しかし去年もそうだったが受付8時50分、医師の診察10時10分って、どうやっても時間が余るのだ。
この医師はあと1時間早く来てくれないのか?
アンドロイドのように無表情な医師であった。
待ち時間が暇だ、眠い、とゲンナリしていたら「201番の方~~。」と、私だけが突然呼ばれた。
待合室で待つ人の注目を浴び、看護師の方へ向かう。
「ちょっと丸の数が多かったので、栄養指導を・・・。」
丸の数とは食生活の問診表の丸のことである。
よろしくない項目に丸をつけるようになっていたのだ。
野菜をあまり食べない。○
炭水化物を多く摂っている。○
ラーメン、カレー、丼ものなどを食べることが多い。○
お酒を週5日以上飲む。○
早食いだ。○
食事の時間が不規則だ。○
フライや揚げ物を食べる事が多い。○
魚より肉を食べる事が多い。○
ひどい質問ばかりである。
自分だってわかっている、これでは良くないことは。
だから栄養士の指導なんて無意味なので「指導・いらない」に丸をしておいたのだ。
それなのに、「丸が多すぎる」とたったひとり、呼び出しを食ってしまったのだった。
まぁ、質問の逆を心がけなさいという事である。
野菜をたくさん摂りなさい。
炭水化物を控えなさい。
ラーメン、カレー、丼ものを控えなさい。
酒については、「毎日飲みたいなら量を減らしましょう」、と言うので、その理想量を聞けば「ビール350ml」であった。
ビール350ml。
毎日飲むような輩は酒好きに決まってるだろうが、その酒好きが、1回350mlのビールで終われると思うか??
「では休肝日を入れましょう。」ハイ、それなら私も努力しています。
してその場合飲めるようになる、1回の理想量は??
「ビール350mlと、ワインがお好きならそれを2杯。」
別に自慢ではないが比較として、普段私が飲んでいる量は、ビール350mlに気まぐれでサワー缶1本、あとは時間が許す限りワインのソーダ割りを飲んでいるがその量はおよそボトル1本弱だ。
そこをあんた・・・。
「肝臓は食べたものを分解して、その上お酒を飲むと、寝ている間もアルコールの分解をしなくてはならなくなって、24時間働きっぱなしになってしまいます。肝臓は働き者で、酷く悪くなるまで文句を言いません。時々休ませてあげて下さい。」
指導をしてくれた栄養士さんはハタチぐらいの可愛らしいお嬢さんで、「気持ちはわかります。できることからやりましょう。」と子供に言い聞かせるように丁寧に説明してくれた。
そもそも私は洗脳されやすいタチなので、理想の酒の量にはたまげたが、ビビッたのも事実だ。
いよいよ本気出して節酒に挑む時が来たようだ。
私だって酒とは長く付き合っていきたい。
1回の量を減らすのはキツいから、飲まない日を増やしてあげようかと思うよ肝臓クン。
天ぷらと酒の晩ご飯を摂りながらいうのも何だがのんEE:AEB7F