人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

監査に夢を

寝不足、MAXだ。

相変らず寝入りばなに目が覚めるが、もう「これがあるから次に移れるのだ」と必須項目に数える事にした。

「あぁまた目が覚めちゃった」ではない。

「よし、これで眠れるぞ」という事だ。

しかしダンナは出張で早出であった。

早出と言ってもいつもより10分ほど早いだけだったが、こっちは寝不足しているという被害妄想で一杯なので、眠くてしょうがない。

朝ご飯だけ出してベッドに戻ったが、娘ぶー子の回には寝坊してしまった。

ダイニングに行くと、彼女はもうご飯を食べていた。

万が一(そんなに低い確率ではないが)寝坊した時のために、ダンナ用に朝ご飯のラインナップを書いてテーブルに出しておいたのだが、それを見て自分で用意したらしい。

「寝てていいよ。」

ぶー子は振り向きもせず、呆れたようにそう言った。

これはヤバいと思ったが、都合良く言葉通りに受け取ってベッドに戻る。

次に起きたのは9時半だ。ぽ子にしては早い。

しかしいつもよりは遅いので、ゲームを諦めた。

午後の仕事は、監査が入るとの事であった。

取引先の会社による監査であったが、取引先は1社ではないので時々このように監査が入る

そして多くの場合、その会社以外の製品の作業が出来なくなる。

今回はそのような事はないだろうということで、皆、悠々と他社の仕事をしていたが、「もうすぐ来るかな?」という頃に急に「他社のものは隠して作業も止めて」と通達が来た。

とは言っても、監査が来る前にその会社の仕事をしてしまったら、彼らが来る前に仕事がなくなってしまう恐れがあった。

今日の出荷としては、その会社のものはとても少なかったのだ。

なので、課長が「もうすぐ来ます」と言いに来たら急いで他社のものを止めて隠し、その会社のものをやることになった。

それにしても、少ない量を4人がかりでやるのだ。

監査の最中に仕事がなくなる可能性がある。

「私、帰ってもいいんですけど。」

パート4人がほぼ同時に言った。

しかも皆、続けて何度も繰り返した。

帰ってもいいんですけど、帰ってもいいんですけど~~。

上司アンガは苦笑した。

「でも休み明けの仕事の量が多いから、それはしたくないんだよなぁ・・・。」

彼はしばらく考えていたが、その時点でそこそこ休み明けの分をこなしてあったので、決心してくれたようだ。

監査が来たら、その会社の仕事を4人でやる。

監査が入ってる間に仕事が終わったら、4人全員帰って良し。

パーーー、パパパパッパッパッパ~~~~~~♪

私の頭の中では、今朝できなかったドラクエのオープニングの曲がかかった。

そうだ、神様はこのように取り計らってくれたのだ。

私の寝不足を解消してくれる。

ゲームの時間も作ってくれる。

はよ来い監査、はよ来い監査。

それだけ早く帰れるのだ。

しかし彼らは現れない。

そのまま3時の休憩に入ったので、私は隣のコンビニにコーヒーを買いに行った。

戻ってコーヒーの缶を開けたところで、彼らは突然現れた。

え?今??

私はロッカーに行って一気にそれを飲み干すと、仕事場に戻った。

他のパートさんはもう仕事にとりかかっている。

無言で仕事をした。まだ休憩時間である。

しかも、彼らは意外と早くいなくなった。

つまり、その後他社の仕事ができるという事であり、早帰りの夢は潰えたのだ。

休憩を削り、残業もして帰った。

なまじっか「早く帰れるかも」と思ったりしたために、何となく損をした気分である。

くしゃみ連発。

花粉症っぽい症状でイライラしたが、どうも風邪らしい。

ぽ子は熱が出ると、目のフチが熱くなるのだ。

連休を無駄にしたくないんだけどなぁ。