人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

起きたら枕元に、丸めティッシュがたくさんひっつぶれていた。

そうだ、昨日も散々飲んで、鼻が詰まって、薬も効きが悪かったのだ。

そのせいで起きてからも鼻がスッキリせず、なかなか布団から出られなかった。

こんな鼻で起きたって、何もいい事ないのだ。

どうせこんな詰まりっ鼻で起きたってね、何もね、なんにもいい事なんてありゃしないんだよ。

ふて腐れていつまでも布団に入っていた。

11時だ。

布団から出てみると、ダンナはギターのレッスンに出掛けた後で、娘ぶー子はまだ寝ていた。

ひとりだ。何しよう。

とりあえずエルを連れて音楽室に行き、ピアノの練習をした。

いつもは午前の早い時間に弾いているので、電子ピアノのボリュームをグッと下げて弾いているのだが、この時間ならいいだろう。

私はボリュームを上げて、初心者向けの単調な練習曲を弾いた。

エルはそれをバックに、気持ち良さそうに眠っている。不憫だ。

天気が良いので、久しぶりにウォーキングに出た。

歩いてみると、暑いので驚いた。

いつの間にすっかり季節が変わっている。

ダンナなど手袋までしていたのだ。時の流れてついて行っていない。

東村山の、駅の向こうの方を歩いたのだ。

向こうったら向こうだ。ぽ子んちと逆の方。

以前一度だけ行ったことがあるが、そっちは田舎である。本当に。

弁天公園って言ったっけ?

ここだけ別世界だ。

途中でチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンと、もの凄い数の鳥の鳴く声が聞こえてきた。

何だ、凄いぞ、とその鳴き声のする場所を探したのだが、ここだ。

全く姿が見えないのに、凄い数の鳥の声が、ここから聞こえてくるのだ。

この中は一体どうなっているのだろう?

気になってしばらく色んな角度から見ていた。

地図に「久米川古戦場跡」というものを見つけた。

時間にも体力にも余裕があったので、そこに向かってみた。

久米川に古戦場跡なんかあったのか。何か凄いな。歴史を感じる。

確かに東村山、結構田舎だもんな。

そんな場所が残っていてもおかしくないかもだ。

・・・古戦場跡。

・・・これだけ・・・?つーか、公園にもならないような、ただのスペースだった。

ここで戦があったんかい。

へぇ、ふ~ん、終わり。

随分歩いたのにね・・・。

春が来た。

よく見る花だ。

今、ダンナが花に熱い。

今日も野草図鑑と野鳥図鑑を鞄に入れて歩いた。

結局ページは開かなかったが、何となく持っていると安心する。

保険みたいなものだ。

鞄の中にはそんなような物が色々入っている。

久しぶりに歩いて、結構疲れた。

帰ってソファに座るなり、目を閉じて寝てしまった。

春が来たのだ。

ただでさえ眠いのに、起きているのが難しい季節である。