起きたら枕元に、丸めティッシュがたくさんひっつぶれていた。
そうだ、昨日も散々飲んで、鼻が詰まって、薬も効きが悪かったのだ。
そのせいで起きてからも鼻がスッキリせず、なかなか布団から出られなかった。
こんな鼻で起きたって、何もいい事ないのだ。
どうせこんな詰まりっ鼻で起きたってね、何もね、なんにもいい事なんてありゃしないんだよ。
ふて腐れていつまでも布団に入っていた。
11時だ。
布団から出てみると、ダンナはギターのレッスンに出掛けた後で、娘ぶー子はまだ寝ていた。
ひとりだ。何しよう。
とりあえずエルを連れて音楽室に行き、ピアノの練習をした。
いつもは午前の早い時間に弾いているので、電子ピアノのボリュームをグッと下げて弾いているのだが、この時間ならいいだろう。
私はボリュームを上げて、初心者向けの単調な練習曲を弾いた。
エルはそれをバックに、気持ち良さそうに眠っている。不憫だ。
天気が良いので、久しぶりにウォーキングに出た。
歩いてみると、暑いので驚いた。
いつの間にすっかり季節が変わっている。
ダンナなど手袋までしていたのだ。時の流れてついて行っていない。
東村山の、駅の向こうの方を歩いたのだ。
向こうったら向こうだ。ぽ子んちと逆の方。
以前一度だけ行ったことがあるが、そっちは田舎である。本当に。
弁天公園って言ったっけ?
ここだけ別世界だ。
途中でチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンチュンと、もの凄い数の鳥の鳴く声が聞こえてきた。
何だ、凄いぞ、とその鳴き声のする場所を探したのだが、ここだ。
全く姿が見えないのに、凄い数の鳥の声が、ここから聞こえてくるのだ。
この中は一体どうなっているのだろう?
気になってしばらく色んな角度から見ていた。
地図に「久米川古戦場跡」というものを見つけた。
時間にも体力にも余裕があったので、そこに向かってみた。
久米川に古戦場跡なんかあったのか。何か凄いな。歴史を感じる。
確かに東村山、結構田舎だもんな。
そんな場所が残っていてもおかしくないかもだ。
・・・古戦場跡。
・・・これだけ・・・?つーか、公園にもならないような、ただのスペースだった。
ここで戦があったんかい。
へぇ、ふ~ん、終わり。
随分歩いたのにね・・・。
春が来た。
よく見る花だ。
今、ダンナが花に熱い。
今日も野草図鑑と野鳥図鑑を鞄に入れて歩いた。
結局ページは開かなかったが、何となく持っていると安心する。
保険みたいなものだ。
鞄の中にはそんなような物が色々入っている。
久しぶりに歩いて、結構疲れた。
帰ってソファに座るなり、目を閉じて寝てしまった。
春が来たのだ。
ただでさえ眠いのに、起きているのが難しい季節である。