人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

人格改造

今日の予定は、早起きして歩いて駅前まで行き、喫茶店のモーニングを食べてさらに大回りして歩いて帰る、であった。

まだまだ歩く気だったのだ。

今年のぽ子は違うぞ。

ところが昨日、歯医者の帰りにダンナと待ち合わせて、駅前でしこたま飲んでしまった。

キープするつもりで注文したボトルは空っぽになった。

「ぽ子が二重に見える。」

久しぶりに聞いたこのセリフは、ダンナの飲みがMAXに達した事を知らせるサインだ。

家に着いたらダンナはすぐに布団に入り私はサワーを飲んだが、寝不足続きであまりに眠く、私もすぐに寝てしまった。

驚いたことに、いつも通りに目が覚めた。6時半だ。

あまりに早すぎるからまた寝たが、これなら計画通りにいける、そう確信して7時半に目覚ましをセットした。

ダンナはなかなか起きてこなかった。勝った感だ。

この手の計画ではいつも足を引っ張っていたが、今日は数少ない後ろめたくない日である。

一方ダンナは酒がまだ抜け切ってないようで、浮かない顔で起きて来た。

風呂に入ってから駅前に向かったが、口から酒臭い息が漏れていた。

しかし私達は、10時にはバロックの流れる喫茶店でモーニングを食べ、コーヒーを飲み、新聞を読んでいた。

「・・・人間、こうも変わるもんなんだな・・・。」

ダンナが上目遣いで私を見て、ボソッと言った。

そんなにあり得ないことですか、これは。

素質があったから、こうなったんでしょ。

そう、今日も歩いた。歩いた、歩いた。

9キロだ。どんどん伸びている。

久米川から東村山に向かったが、東村山が近づいてくるとある店の存在を思い出した。

「・・・今から入ってウィークエンドパックのバリューコースなら、4時にはお店出れるね♪」

「・・・え?」

「そしたら『花月』でラーメン食べて・・・。」

「お・・・。」

そしてダンナはマックでそのカラオケ屋の割引券を見つけ、食べもしないで券だけもらって出た。

そしてシダックスに向かったが、いいのか?本当に。

これではせっかくセレビ~な午前を過ごしたのに、いつもの週末に転落ではないのか?

歌うことでどれほどカロリーを消費するのかはわからないが、それと同時に大量の酒を飲み、背脂タップリのラーメンを食べるのだ。

せっかくここまで歩いたのに。

悩んだ。

シダックスの割引券を片手に駅前をウロウロしながら、「どうする?」「いいの?」と初めての夜を迎える恋人達のように、私達は迷っていた。

そして私達は誘惑に負けずに家路に着いた。

しかし睡魔の誘惑に負け、とっぷり日が暮れるまで寝てしまった。

私はギュギュッと飲んでいるが、ダンナは珍しく正真正銘の二日酔いで、コーラを飲んでいる。

まぁ今となっては休肝日は私のほうが多いのだ。

ダンナの肝臓よ、休むが良い。

明日のために。

まぁ

そんなんで、明日はググッとな予感。