朝が来ていた事に、全く気付かなかった。
目覚ましは6時20分にセットされていたはずだが、起きたのはダンナが着替えに寝室へ入って来た時だ。
目覚ましが壊れているのか?
私が目覚ましに気付かなかったのか?
とにかく急いで起きて、朝ご飯の支度にかかる。
貴重な朝の10数分を無駄にしてしまい、慌しい朝になってしまったが、みんな家を出てしまうと途端に眠くなった。
どうしてこんなに眠いんだ?
私は昨夜の事を思い出してみる。
早めに布団に入り、小説を少し読み、早めに寝たはずだ。
いつもならなかなか寝付けず、寝入りばなに一度パッチリと目を覚ますのだが、それもなかった感じだ。
つまり、良く寝たはずなのだが、こんなに眠いなんて絶対におかしい。
きっとちゃんと寝れなかったのだ。
寝れなかった理由など何ひとつ思い当たらなかったが、今日の私は「寝不足」に決定だ。
そうとなったら、不足分を取り返さなきゃね。
私はソファに座り、目を閉じた。
あぁ、でも・・・。
ここで寝たら今夜また寝付けないかも・・・。
いやちょっと、10分ぐらい・・・。
しかしここで天使と悪魔の囁きが交錯する。
「ぽ子さん~、起きましょう、起きましょう~。」天使が耳元をくすぐる。
ハイ、起きれるものなら起きたいけど、眠くてたまらないのです。
「ぽ子さん~~、冷蔵庫に筋子が残ってますよ~~~。」天使が続ける。
筋子ッ!!
私はガバッと起きて茶碗にご飯をよそり、立ったまま筋子を乗せて食べた。
筋子~、筋子~~。
醤油飲んで死ね、などと言うが、筋子も食べ過ぎると死ぬだろうか。
もう筋子が好きで好きで、どうにかなってしまいそうだ。
恐らく私の人生を狂わせるものがあるとしたら、それは男や金ではなく、筋子だろう。
そんな事を書いていたらたまらなくなり、今も食べて来たところだ。
あぁもう、ツブはなくなってしまい、残りは汁だけだ。
ところで今日の晩ご飯は、きのことベーコンのトマトスープに和風スパゲッティだ。
この下ごしらえを午前中にするのだが、簡単だったので時間が余ってしまった。
これはもしかして、あれを作れという事なのかもしれない。
結局あれから、時間がないのとかったるいのとで、足りない分の生クリームを、買い足していなかったのだ。
先週の金曜日に作るはずの材料が、まだ冷蔵庫に入っている。
生クリーム、鶏のひき肉、どちらも先週半額で買ったもので、とっくに賞味期限を過ぎていた。
ひき肉のにおいを嗅いでみる。
お??
臭いません~♪
賞味期限がなんぼのもんじゃい、そんなものは私の鼻が決めるっ。
チキンクネル、調理決定だ。
しかしこのメニュー、恐ろしくめんどくさいに違いない。
これは「ロイヤルホテルの家庭料理Ⅱ」という料理本に載っているのだが、この本はややこしいメニューばかりなので、特別な時ぐらいにしか開かないのであった。
前回チキンクネルを作ったのは、もう10年近く前で、実家の母を招いた時である。
*ひき肉をすり鉢ですり潰しながら、卵を混ぜ込む。
*塩コショウして冷やす。
*冷えたらそれを氷水で冷やしながら、生クリームを少しずつ混ぜる。
*そこへ牛乳で湿らせたパン粉を入れて混ぜる。
無理だ。
ここはシンプルに全部混ぜて終わり。簡単じゃんか。
これを茹でるのだが、う~ん、何だがとってもおいしそうだ。
これはぜひ、出来たてを食べてみたいものだ。
賞味期限の件で一刻も早く火を通したかったのだが、勝負だ。
これは食べる寸前に茹でて、一番痛んでいて一番できたてを頂くのだ。
そういえばこの他に、賞味期限が1月17日のテリーヌと、20日のスモークサーモンもある。
今日はもう、「お片づけの日」にしよう(笑)