人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

課長

ウチの部署にいる課長は、ゴスペラーズのリーダーに似ている。

初めて会った時に、高そうなスーツを着てパリッとしていたから余計そんな感じに見えるのかもしれない。26歳、社長息子。

しかしだんだん分かってきたが、非常におっとりとしてなんと言うか、力が抜ける。

この頃はスーツでなく作業着を着ているが、いつも腰からシャツがはみ出たりしていて、なお脱力する。

今日は隣で作業をする事になった。

「あー、ハラ減った・・・。」

5時頃だろうか。課長は独り言のように言ったが、隣にいる者として、聞こえているのに放置も出来ず、

「そうですね~。」と笑って答えた。

すると課長は

「なんでハラが減るのかなぁ。」などと言い出した。

は?

どぉしてお腹が減~るのっかな。ケンカをす~ると減~るのっかなっ。

てな子供の歌があるが、まさか課長からそんな疑問が出るとは。

「ハラが減らなければ飯なんか食わずに済むのにねぇ。」

う~ん、そうですが。

「・・・ご飯食べないと成長できなくて困るんじゃないですか?」

私もそんなに頭が良くないので、結構考えてからやっと言った。

すると課長は「お~。そうかぁ。確かに。」そう言ってまた仕事に意識を戻したようだった。

ちょっと間があってから今度は

「太陽の光とかで生きていけたらとか・・・。」と言ったので爆笑した。

「光合成ですか・・・。」

がんばれ、ぽ子。理科の授業を思い出すんだ。

「そうすると室内で仕事ができませんね。」

こんなことぐらいしか思いつかないが。

「じゃあ、外で仕事するようになるね。」課長が続ける。

う~ん、外で仕事か。

「夏場、辛いですよ。」そういえば、天気が悪いとどうなるんだ?

課長は言った。

「『今日は曇りだから調子が悪いねー。』とか言うのかな。」

そこで会話は終わったが、ほのぼのとした雰囲気が残った。

課長の夢は田舎でのんびり暮らす事らしい。

ところでこれは余談だが、忘年会の2次会での話だ。

トイレに行こうと部屋を出たら課長が廊下でウロウロしていた。

そういえば、彼もずいぶん前に「トイレ」と言って部屋を出たはずだが。

「あの~、トイレどこですか?」と聞かれたが、課長、すぐ後ろですがな、すぐ。ずっと探していたのか。

後日、「1次会の後、どこか行ったっけ?」とアンガ藤井は聞かれたそうだ。

私も深酒すると記憶をすぐになくすが、まさか2次会に行ったことすら覚えてないとは。

その証拠にみんなでランチした時に「この中で2次会にいたのは誰?」と聞かれた。

全員いました(笑)

それにしてもニコニコニコニコと気持ち良さそうに酔っていました。

私もこんな風に人に害にならないように酔いたいものです。