人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

疲れた、疲れた、疲れた・・・

残業かよ・・・。

明日休みをとってあるから帰りにくかったのだ。

眠い、疲れた。右目が二重になった。

あくまでも世間話として、と前置きをして切り出した。

「突然辞められたら困りますよね・・・。」

17年下の上司がポカーンとした顔でこちらを見る。

「よ、予定がおありですか・・・?」

ワナワナしている。

残業の真っ最中だったのだ。

まだまだ終わりそうもなく、必死こいていた。

昨日も忙しく、残業であった。

「いえ・・・、まぁどんなもんなのかなと。」

どんなもこんなも、突然辞められたら困るに決まっている。

こんなに忙しいのだ。

「休み休みでもいた方がいいもんですかね。」

世間話を越えてきた。ぶっちゃけ「突然辞めるかもよ。」と言ったようなもんだな。

「そりゃあそうですけど・・・。どうしたんですか、あの、残業とか関係ありますか?」

職場に不満はない。

しかし難病の子猫を抱え、仕事との掛け持ちが辛くなってきたのだ。

辛いだけならまだいいが仕事中が心配だし、

病院へ行ったり具合を悪くするたびに、嘘をついて休まねばならないと思うと気が重かったのだ。

今日も娘ぶー子が、肺炎ぎみのエルを置いてカラオケに行ってしまった。

できる事なら残業などしないで家にすっとんで帰りたかった。

「うちの子猫が・・・。」

こんな出だしは誰も理解を示さないだろう。

だったらスッパリ辞めて家で内職でもするかと真剣に考えたのだ。

ただ、エルの治療がこれからどうなるかはまだわからないし、

ちょっとどんなもんなのかとサラッと聞いたつもりが、重い雰囲気になってしまった。

「まぁ、まだわかりませんから・・・ハハ・・。」

年下の上司は笑わなかった。

あちゃー、言わなきゃ良かったな。

しかし疲れたな、ホント。

明日は武蔵境の(畜産)大学病院へ行く。

武蔵境と言えば・・・。

ダンナと無言でうなずく。

ラーメン「きら星」。

それとも平日のうちにひばりの「二郎」か。