さて、間髪入れずに今度はストーンズのコピーバンドでライブだ。
楽譜がなくては何も弾けない私に、楽譜に起こす時点ですでに難しいこのバンドの鍵盤は、苦手なジャンルである。
楽譜通りに弾く曲ではない。
しまいには練習は投げ、ノリで弾いてやると腹を決めた。
翌日はリハだ。
ノリで弾くために飲んだ酒が引き金になり、深酒をしてしまった。
二日酔いでグッタリとスタジオに入る。
いつものことだ。
その後のミーティングで酒飲みメンバーはおっ始めたが、私にはもう1件残っていたのだ。
パスタなど食べ、ゴスペルの練習に向かった。
家に帰る頃には、もう何をする気力も残っていなかった。
どうせダンナは寝ているだろう。
私も寝てしまおう。
2階に上がると、ダンナの部屋のドアが少し開いていた。これは、エルがいることを意味している。
覗き込むと案の定エルがベッドの上にいたが、ダンナがいない。
あれ?まだ帰ってないのかな?
まぁいい。もう疲れたから私は寝る。
寝室に向かうと、こちらもドアが少し開いていた。
・・・えっEE:AEB2FなんでEE:AEB2FちょっとヤバくないEE:AEB2Fクー太はEE:AEB2F
急いで寝室に入ると、もぬけの殻である。一体どこへEE:AEB2F
クー太はどこにもいなかった。
ダンナもいない。
そして、クー太の生活用品一式も、きれいになくなっていた。
家族ラインを見ると、ダンナが娘ぶー子と一緒に写った写真と、クー太の動画が貼られていた。
「おとんを拉致した」と言っているが、おい、拉致はクー太だろうEE:AEB30
突然の帰宅であった。
兄貴分のビー太の体調が戻るのを待っていたが、このままではいつになるか分からないからもう連れて帰ることにしたらしい。
鍋やってるからおかんもおいでと言われたのだが、もう疲れ果ていたので丁重にお断りして寝た。
ダンナが帰ったのは、10時半である。
リハが終わったのが2時で、それからずっと飲んでいたことになる。
いいご機嫌だったが、今にも寝そうである。
風呂に入る、と消えたが、結局朝は寝坊し、慌ててシャワーを浴びていた。
クー太がいなくなったので、私はエルをダンナのところから取り返したのだ。
すっかり「クー太臭」が染みついていたようでエルは落ち着かず、一緒に寝るどころか「ここから出してくれ」と鳴き通しで参った。
これから、関係修復に努める。
浮気を許してくれまいか。