人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

クー太が脱走した夜。

娘ぶー子のクー太が脱走した話。

窓を閉めた時に何かが引っかかって、反対側の窓が開いちゃったらしいのだ。

それに気づかず、どうも寒いと思ってみたら窓が開いていた。そしてクー太がいない。

私のところに電話があったのは、夜の11時頃。

近いのでとりあえずすっ飛んで行ったが、まぁ探してもいない訳だ。

夜。真っ暗。

工場に、住宅地。

入る込める場所も多く、猫1匹が隠れるには果てしなく感じられた。

私は頭脳戦でいくことを提案した。

探し方を調べるのもそうだが、チラシを作る、警察や保健所に連絡する、もしかしたらプロに頼んだ方がいいかもしれない。逆に、効果のあったおなじないも片っ端からやる。

できることを考えて、作戦を立てていこうと。

一度家に戻ったが、ぶー子は上の空だ。心ここにあらず。じっとしているよりも、探しに出たいようである。

そこで、どうせ探すのならただ探すのではなく、ダメもとで「はさみさま」をやったらどうかと言ってみた。

はさみさまとは、無くしものを見つけるおまじないだ。今のところ私のところでは、ほぼ100発100中である。

というと「やる」というので、伝授する。

探す時にハサミを耳の近くでカチャカチャ鳴らしながら、どこにいるのかを問い続けよ。

ぶー子は立ち上がって、耳元でハサミを鳴らした。

「・・・・・この時間にこれ、ヤバくないEE:AEB2F

「??」

「こんな物もってブツブツ言ってたら、通報されないかなEE:AEB2F

確かにEE:AEB64

でも変な人も寄って来ないだろうと、ぶー子は外へ出た。

私も追って出たが、目の前は広い駐車場。

ぶー子はクー太を探す目線にしかなってないが、もし人が乗ってたら面倒なことになりそうではないか。

工場や住宅地にしても、猫が入り込んでそうな奥地に潜入したりして、潜入された方は怖くないかEE:AEB2Fこんな時間に家の裏でゴソゴソ(カチャカチャ)いってたら、非常に怪しくて怖い。

どうせ暗くて見えない、朝まで待とうと言って私は家に帰ったが、ぶー子は諦めがつかないようだった。

ここが飼い主と他人の違いなのかもしれない。

しかし、冷静になる人間も必要だ。

私は家に帰ってひと通り調べられることを調べてから、寝た。

ダンナに申し送りをしてあったので、早起きのダンナが後を引き継いでくれたようである。

起きたらぶー子と合流し、チラシ作りなどしていた模様。

その間に、ぶー子の家にいた相方から「見つかった」と連絡があったのだ。

クー太は、出て行った窓付近の屋根に戻って来て鳴いていたとのこと。

本猫も、心細かったようである。

滅多に鳴かないのがネックになっていたが、さすがに鳴いた。鳴いてくれて良かったEE:AE5B1

その声に気づいて、救出となったのだった。

ぶー子の家は2階なので、戻るに戻れないだろうと心配していた。

猫らしからぬ程のおっとり君のクー太が、こうして帰れたことに感謝だ。

いや~、ほんと冷や汗でした。