娘ぶー子のところが新しく子猫を迎えてから、一ヶ月も経つだろうか。
先住のクー太がご飯も食べず、吐き、下痢をするようになってしまったのだ。
顔合わせをしてから最初の2、3日は仲良くしていたらしいが、どうやらストレスだったらしい。
再び子猫を別の部屋に隔離したが、子猫は出たがって鳴く、クー太は衰弱する、というにっちもさっちもいかない状態になり、私が預かることにしたのだ。
子猫は順応性が高い。
最初のうちこそキャットタワーの小部屋に閉じこもっていたが、どんどんと行動範囲を広げ、良く遊ぶようになっていった。
私に対しても徐々に懐いていき、顔を見れば寄ってきて喉をゴロゴロと鳴らすようになった。
子猫とは言っても、もう自分で何でも食べられる月齢だ。
しかし、ご飯の説明を聞いて不安になった。
「まずはお水。これと子猫用のカリカリは常に置いておいて。それと適当に時間を見計らって、ミルク。この中にはブドウ糖を入れてね。それと一緒に、また別のカリカリ。これはお湯でふやかしてから、この粉のを振りかけて。」
できるかしら、特に休日・・・・・。
心配には及ばなかった。気になるので義務感もなく、自然と然るべき時間帯に食べさせるサイクルが出来上がった。
4、5時間おき程度だろうか。
それでも常に繰り返されると「もう」「また」という忙しさは否めない。
愛なくしてできるものではない。うちの猫達の子育てを思い出した。
一週間ほどでクー太の体調が戻ったので、「帰宅」となった。
仲良くやってくれないことには先がない。どうしたらいいのか分からないままの再挑戦だ。
たまたまクー太の体調不良とチビとの顔合わせのタイミングがかぶっただけの可能性も無きにしも非ずだ。いい案も思いつかないので、こうするしかなかった。
チビが帰ってから、一週間が経った。
昨日久しぶりにエルを寝室に連れて行ったが、大泣きだ。
すっかりダンナと寝るのが習慣になってしまった。また、チビ助の匂いが残っているのかもしれない。
このまま金輪際エルと寝られなくなるのは困る。これは乗り越えなくてはならない壁なのだ。
エルは鳴き、ドアに飛びつき、遠吠えのような声を出し、床を引っ掻く。
字幕を出すなら「出して!!」以外にない。「助けて!!」ではないと思いたい。
しばらくすると諦めて大人しくなるが、また我に返るのか騒ぎ出す繰り返しである。
参ったなこりゃEE:AEB64
しかし、初めてではない。
クー太を預かった時、ダンナと続けて寝ていた後などにも乗り越えた壁だ。
それにしても今回は長いね、もうダメなんか・・・・・。
眠剤が効いて、私は先に眠ってしまった。
夜中に気配で目が覚めると、エルが布団に入って来るところであった。
寝ぼけた頭の中で、ガッツポーズをとる。
エルはピッタリと私の脇の下に入り込み、喉を鳴らした。
ダンナめ、もう当分渡さんぞ。
ぶー子からLINEが来た。
「仲良くやってるよ!」とのことである。
これにて一件落着、こちらもハッピーエンドだ。
平和な日常が戻る。