人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

二度目の衝撃

タンコブにダメ押しの一発が入ってしまったので、「3マスもどる」ぐらいのダメージだ。

1回目ほどのヒットではなかったから全く心配はしていないが、実はこの「二発目」には気をつけなければならないのであった。

まぁ脳味噌が入っているのだ、頭はそう簡単にやられるような構造にはなっていないらしい。何度ぶつけようとも、私はこうして生きている。

しかし、一度ぶつけたダメージが戻らぬうちにまた同じようにぶつけてしまうと、「セカンドインパクト症候群」が起こる可能性があるという。

脳が回復しないうちに再び衝撃を受けると、ダメージ量がグッと増えるらしい。ゲームならRPGで使えそうな技だ。

その致死率は50%。

なので私も、コケたり泥酔したりしないように、しばらくは気をつけていた。

さすがにもう日にちが経っているので大丈夫だろうが、当初は結構ヒヤヒヤしたものだ。

酔ってぶつけた頭が原因で死ぬとか、ハマり過ぎだ。こんな稀な死因でも、誰もが納得するだろう。

私は色んなラストシーンを想像した。

発見者は誰だ?一番確率が高いのはダンナだ。

映画みたいになるかな?プラトーンみたいに膝ついて絶望するかな?

良からぬ空想とは、時に甘味なものである。

私が死んだら泣くかな?洋服もっと買ってあげれば良かったと思うかな?

あるとき私はベッドの中で冷たくなっており、またある時はキッチンで倒れている。

どれも衝撃だ。恐らくダンナのHPは赤く表示され、ハイポーションごときでは復帰できないだろう。

しばらく私はそのような空想で「してやった感」を楽しんでいたが、回復するにつれ現実味もなくなり(そもそもなかったのか)、空想は従来のくだらないものに(金持ちになったり有名になったりするバージョンだ)戻っていった。

ところが先日のプチセカンドインパクト症候群で、またちょっとブームが再来したのだ。

今朝私は、久しぶりに時計が鳴る前にスッキリ目が覚めたので、朝ゲーに勤しんでいたのだ。

コントローラーを握り、戦闘機で大空をこねくり回し、無駄なミサイルを撃ちまくっていた。

そのうちダンナは起きてくるだろう。

ところが私はもう逝っているのだ、恐らく自分でも気づかぬうちに。

何度目かのプラトーンが頭の中で放映される。

バッグを買ってあげれば良かった。しかしもう遅いのである。

やがて娘ぶー子は病院に駆けつける。

突然のことだ、ダンナは状況を説明しなくてはならない。

ぶー子はもう泣いているだろうか。お母さんはどうしてしまったの。

お母さんね、朝起きたらね、コタツでゲームやりながら死んでたんだよ・・・。

!!

こ、これは。

笑うよね、たぶんEE:AEB64

これもハマり過ぎだ、疑いの余地がないだけでなく、「しょうもない」というおまけつきだ。

ところで、CTに写らずに地味に脳内出血が進んでしまった場合も、1ヶ月2ヶ月経った頃にポックリということがあるらしい。

あんまり変な格好で生活しないよう、せめてそっちを気をつけておく。(今日の格好:黒のスパッツの上にハート柄のハイソックスの上にぶー子のお下がりズボン、ミッキーマウスの赤いトレーナー、下着もぶー子のお下がりだ。)