タンコブにダメ押しの一発が入ってしまったので、「3マスもどる」ぐらいのダメージだ。
1回目ほどのヒットではなかったから全く心配はしていないが、実はこの「二発目」には気をつけなければならないのであった。
まぁ脳味噌が入っているのだ、頭はそう簡単にやられるような構造にはなっていないらしい。何度ぶつけようとも、私はこうして生きている。
しかし、一度ぶつけたダメージが戻らぬうちにまた同じようにぶつけてしまうと、「セカンドインパクト症候群」が起こる可能性があるという。
脳が回復しないうちに再び衝撃を受けると、ダメージ量がグッと増えるらしい。ゲームならRPGで使えそうな技だ。
その致死率は50%。
なので私も、コケたり泥酔したりしないように、しばらくは気をつけていた。
さすがにもう日にちが経っているので大丈夫だろうが、当初は結構ヒヤヒヤしたものだ。
酔ってぶつけた頭が原因で死ぬとか、ハマり過ぎだ。こんな稀な死因でも、誰もが納得するだろう。
私は色んなラストシーンを想像した。
発見者は誰だ?一番確率が高いのはダンナだ。
映画みたいになるかな?プラトーンみたいに膝ついて絶望するかな?
良からぬ空想とは、時に甘味なものである。
私が死んだら泣くかな?洋服もっと買ってあげれば良かったと思うかな?
あるとき私はベッドの中で冷たくなっており、またある時はキッチンで倒れている。
どれも衝撃だ。恐らくダンナのHPは赤く表示され、ハイポーションごときでは復帰できないだろう。
しばらく私はそのような空想で「してやった感」を楽しんでいたが、回復するにつれ現実味もなくなり(そもそもなかったのか)、空想は従来のくだらないものに(金持ちになったり有名になったりするバージョンだ)戻っていった。
ところが先日のプチセカンドインパクト症候群で、またちょっとブームが再来したのだ。
今朝私は、久しぶりに時計が鳴る前にスッキリ目が覚めたので、朝ゲーに勤しんでいたのだ。
コントローラーを握り、戦闘機で大空をこねくり回し、無駄なミサイルを撃ちまくっていた。
そのうちダンナは起きてくるだろう。
ところが私はもう逝っているのだ、恐らく自分でも気づかぬうちに。
何度目かのプラトーンが頭の中で放映される。
バッグを買ってあげれば良かった。しかしもう遅いのである。
やがて娘ぶー子は病院に駆けつける。
突然のことだ、ダンナは状況を説明しなくてはならない。
ぶー子はもう泣いているだろうか。お母さんはどうしてしまったの。
お母さんね、朝起きたらね、コタツでゲームやりながら死んでたんだよ・・・。
!!
こ、これは。
笑うよね、たぶんEE:AEB64
これもハマり過ぎだ、疑いの余地がないだけでなく、「しょうもない」というおまけつきだ。
ところで、CTに写らずに地味に脳内出血が進んでしまった場合も、1ヶ月2ヶ月経った頃にポックリということがあるらしい。
あんまり変な格好で生活しないよう、せめてそっちを気をつけておく。(今日の格好:黒のスパッツの上にハート柄のハイソックスの上にぶー子のお下がりズボン、ミッキーマウスの赤いトレーナー、下着もぶー子のお下がりだ。)