人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

本格的に、スマホ紛失・1

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「ハイハイハイハイ、スマホ充電しとくよ~。」

3日後の昼、私はまた布団の中からダンナのこのセリフを聞く。

「う・・・。たぶんその辺に・・・。」

返事も同じだ。「その辺」か「バッグ」ぐらいしか、深夜にスマホが行く先はない。

「・・・ないよ。」

今回は私が布団から出ようともしなかったので、ダンナがバッグの中まで探したのだが、ない??

う~~~、二日酔いだ。ギリギリ残った気力で、スマホのありかを思い出そうと試みる。

昨日は相当飲んだ、スマホいじって寝る余力なんかなかったと思われ。

「コートのポケット・・・。」

「・・・ないよ・・・。」

とりあえず体を起こし、今度は自分でバッグの中をまさぐってみる。

ある訳がない。

ダンナが遠慮なく中身を全部出して、ひとつずつ戻した後である。

その間にダンナはリビングに戻っていった。恐らく探してくれているだろう。私はベッドで前夜のことを思い出してみる。

ええと、スタジオ入って、飲んで、その後居酒屋行って、一度解散してから残ったメンバーでもう1軒行って、シメにラーメン食べて、タクシーで帰った。

携帯、使ったっけ??

2軒目と3軒目で、出したような気が。

まぁお店ならそんなに心配はいらない。こっちから電話してみよう。

やがてダンナが「ない。どこにもない。」と報告に来た。

うむ、分かった、下がって良し。

じゃあ一応またauの位置検索で、場所を確認してみるとしますか。

ところがGPSの位置検索によると、携帯は意外なところにあったのだ。

ごく近所である。

ひょいっと顔を出せば見える、裏手の小さな工場であった。

なんでそんなところに??

この近所の人が持っている、ということは、この近所の人が拾った、ということだ。工場なら、出勤の途中だったかもしれない。

とすると私が落としたのは、この近辺ということになる。

そなると、タクシーを降りてから家に入るまでが怪しい。

記憶がないので何とも言えないのだが、そんなところに携帯を落とすだろうか。

タクシーの中で使って、ポケットか何かに入れっぱなしだったのか?

とにかく今それは、裏手の工場にあるとのことだった。

私は直接行ってみた。

近いのに、初めて入る場所である。

その辺一帯は工場地帯になっており、用もないのに入る場所ではないのだ。

一番奥にあるそのS作業所という工場は、個人経営と思しき古くて小さな建物であった。

どこにもインターフォンというものはなく、出入りできそうなドアや引き戸はピッタリと閉まり、人の気配もない。

ノックしてもまるで反応がないので、2階に続く階段を上がってみた。

ペンキがところそころ剥げた階段にはツタが絡み、鬱蒼としている。

どうやら2階は住居のようだ。

ベランダには大量の植木がこれまた鬱蒼としていて、独特な雰囲気が私を拒んでいた。

やはりインターフォンはなく、応答もなかったので、そこを後にした。

正直に言うと、この家の住民が私の携帯を持っているかと思うと、気が重くなった。

時間は、昼休みだ。

また出直そう。

~つづく~