人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

スキンヘッドに人権を

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娘ぶー子がまだ小さかった頃のことである。

パートタイマーだが仕事をしていたので、私は生後6ヶ月からぶー子を保育園に預けていたのだが、やはり預けっぱなしという訳にはいかず、数々の行事をこなしていかなくてはならなかった。

慣れない人との付き合いが苦手で、園の行事は本当に苦痛であった。

苦痛だったが、子供のために、行かなくてはならないのである。

弁当も苦手だった。

園の集まりは、本当に苦痛だったのだ。

しかしクラスの保護者も先生も、いい方ばかりであった。

保護者の年齢は20代~40代とさまざま、仲が良く、園の行事以外でも良く集まったものだ。それも苦痛だったが(笑)

私は酒飲んでゴロゴロしている方が良かったのである。

あれは確か、運動会だったと記憶している。

昼食時、教室に集まって、みんなで弁当を食べていた。

床に座り、子供も一緒になって、家族ごとにかたまって食べていたのだ。

ぶー子のクラスの年齢はまだ低い方で、外ではもう食べ終わった年齢の高い子供たちが遊びだしていた。

ということは、もう昼食の時間もそこそこ経っていたのだろう。デザートの果物なんか食べたりする人もいる時間帯であった。

そのご夫婦には上に中学生の子供がいたので、保護者の中では年齢が高い方であった。

穏やかで明るく、でしゃばらないがみんなに頼りにされていたのだ。

お母さんは笑顔を絶やさぬ優しい人、ダンナさんはスキンヘッドのコワモテという組み合わせであった。

弁当の時間は平等に流れる。

嫌々集まっている私も、ヤンママも、スキンヘッドも、みな等しく座って、子供と向かい合っていたのだ。

その時、廊下を走り回っていた子供の一人が、こちらの教室を覗き込んで大声でこう言った。

「おい!ハゲが柿食ってるぜ!!」

その声は教室中に響き渡り、気まずい雰囲気が漂う。

間違いない。確かにハゲが柿を食っていた。

いや、ハゲだって柿ぐらい食べるだろう。

しかしハゲが柿か・・・。

このセリフが猛烈に私の腹筋を刺激し、食事中の私の食道及び鼻の穴を一気に窮地に陥れた。

いまだに思い出す一言だ。

いまだに刺激される。