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私は時々気づく。
なるほど、こうするべきだったのかと。
私は時々決心する。
もうこんな事はしないと。
もうホント、料理はレシピに忠実に作るようにしたい。
これが前回の気づきであり、決心だった。
私は時々気づく。
なるほど、こうするべきだったのかと。
私は時々決心する。
もうこんな事はしないと。
しかし私はまた繰り返す。
忘れたわけでもないのに、性懲りもなく。
そしてまた失敗する。
学習しないということは、こういう事である。
私は自分が思っているよりも、能力が低いのである。何にしても。
カレーのようなミートソースのようなものを濃縮した、得体の知れない食物を作ってしまったのはおとといの事だ。
レシピを見ないとロクなものも作れないくせに、トマトペーストを自力で消費しようとした結果だ。
たかがカレーなのに、なぜあのような結果になってしまうのだろうか。
食べられなくはなかったが、そのままではツラい味だ。
ダンナは「辛い、妙に酸味がきいている」と食べにくそうで、あまり食べなかった。
これはアレンジをしないと、大鍋一杯も消費できそうもない。
濃縮された状態で大鍋に一杯だ。こんなペースでは消費が間に合いそうもない。
私は近所のユーちゃんのところにそれを持っていった。
「おすそ分け」なんてものではない、罰ゲームだ。何の罰か。
そこで彼からの何らかのリアクションを待ってみたが、「ソースとしてはアリ。カレーとしてなら玉ねぎを少なくとも2個ソテーしてニンニクと一緒に足し、水でのばしてはいかがなものか。」と主婦暦23年の私よりも正しいことをサラッと言ってくれた。
もちろん今度は忠実に。
玉ねぎとニンニクを切って、時間をかけてソテーする。
その間にも「ソテー中」とユーちゃんにメールを送り、忠実に従っていることをアピール。
それを鍋に足すが、とにかくほとんど固形と言ってもいいほどの濃度なのである、この時点で一緒に水も足していく。
あのトマトペーストっちゃ、どんだけ水分を飛ばしているのか。水を入れども入れども、なかなか軟化しない。
かなり入れたが、今度は心配になってきた。こんなに入れて大丈夫なのか??
不安に駆られてリンゴジュースを足す。脱線開始だEE:AEB64
残っていたリンゴジュースを入れて保温鍋で煮込んでいたが、その間に私はサラダを作っていた。
途中で一度、カレーの方の味見をしてみたが、う~~ん、確かに辛味と酸味は和らいだが、何だか間抜けな味である。
トマトにスパイスを入れただけ、みたいな、コクがないのである。
格好だけで中身のない奴、口ばっかりでなにもしない奴、見栄っ張りで嘘ばかりついている奴、そんな感じだ。
水を入れすぎたか。しかし濃度は「ボテボテ」が「ニチャニチャ」になった程度である。
とはいえこれは、明らかに何かのバランスが崩れたようだ。
コク。
思いつきでコンソメを3個ポンポンと入れ、保温鍋に戻した。
どうにかならんものか。考えながらサラダを作る。
このサラダはちゃんとレシピに従って作っていたが、レシピと言っても切って混ぜるだけ、ドレッシングはしょうゆとオリーブオイルだけである。
まず新玉ねぎを切り、アボカドの皮を剥いていく。
ひらめいちゃったのね。アボカド入れたらどうだろう??まろやかなコクが出そうである。
食感も良さそうだ。
いいよね?ユーちゃんEE:AEB80
みじん切りにして、鍋に足す。
・・・・・・・もはや修復は不可能か。
妙な生臭さと青臭さが加わっただけであった。
これまでのカレーは、変なものではあったが不味くはなかったのだ。
しかしこれは、明らかに不味い。
「うん、昨日のよりは辛くなくなったかも。アボカド、そんなに気にはならないけど。」
ダンナはそう言って、昨日は一度だけおかわりをした。
違うってEE:AEB30カレーライスってこんなもんじゃないんだってEE:AEB30
私は納得していない。これでいいなんてこれっぽっちも思ってなんかいないのである。
今日になって今度は、ズッキーニとパプリカを加えてみた。
アボカド感はだいぶ抑えられたが、ますますミートソースに近づいた気がする。
もう限界だ。これ以上いじる気力はない。
それにしても大量にあれこれ足したために、全然減っていかないのだ。
バケモノみたいである。