激しい二日酔いだ。
家でダンナと飲んだだけでこの二日酔い。
起きたのは昼だったが、充分な睡眠をもってしても回復しない重症だ。
腹を空かせたダンナがいるのだ、私も起きて行動しなくてはならない時がきた。
歯を磨いている時に吐きそうになる。
吐いたら頭痛止めに飲んだ薬も出てしまう。
ううう、こんなんでラーメン食べられるのか??
二日酔いだと腹が減るものだが、あまりに酷いとこのように食欲も全く失せる。
しかし経験上、こういう時は無理してでも食べた方が良いという事を学んでいる。
行くぞ、ラーメンだ。
車中は無言。
何をしても吐き気がする。
声を出しても、目を動かしても、考え事をしても、吐き気を誘発するのだ。
無になれ。
私は意識してただ呆然としていた。
美味しいと言って食べられる状況ではなかったが、何とか食べた。
しかし無駄ではなかった。
こういう時のラーメンは「薬」なのである。
体の隅々まで行き渡り、少しずつ元気が回復してくる。
言葉が弾み、笑顔ももれる。
良かった、もう大丈夫だ。
大丈夫なのだが、腹が減った。
さっき食べたばかりなのだが、体の隅々まで行き渡ってしまったために、もう切れてしまったのか。
まだ食べられる、ラーメン食べたい、とダンナに言うと、案の定ダンナは酷く驚いた。
ダンナは先程、山盛りの野菜ののったラーメンを汁まで飲み干して「苦しい」を連呼していたのだ、無理は承知である。
私達は立川のリサイクルショップに向かっていたが、帰りにはもう1杯食べる事になった。
今度は私が驚く番である。
ダンナ、大丈夫か??
ずいぶん回復しなたぁと思ったが、まだラーメン以外は無理、という感じだったのだ。
2軒目のラーメン屋に向かう途中に「とんかつ」「牛丼」の文字をあちこちで見たが、違う、そこまではまだ回復していないのだ。
なのでラーメンを連食することになってしまったが、もちろんこんな事は初めてだ。
頑張れ胃袋、肝臓を助けるのだ。
ふたりともペロッと食べてしまった。替え玉までして、スープも飲み干した。
フー、食べた食べた。
しかし。
まだ食える。
私は更に回復し、今度は肉・揚げ物のリミッターが外れた。
2杯目のラーメンも、どうやら単なる「薬」だったようである。やっと正常の状態に戻ったのだ、ここからが「食事」である。
しかしさすがに次はOKが出なかった。
仕方がないので、寝ようと思う。
起きていてもひもじいのだ。