人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

薬を食す

激しい二日酔いだ。

家でダンナと飲んだだけでこの二日酔い。

起きたのは昼だったが、充分な睡眠をもってしても回復しない重症だ。

腹を空かせたダンナがいるのだ、私も起きて行動しなくてはならない時がきた。

歯を磨いている時に吐きそうになる。

吐いたら頭痛止めに飲んだ薬も出てしまう。

ううう、こんなんでラーメン食べられるのか??

二日酔いだと腹が減るものだが、あまりに酷いとこのように食欲も全く失せる。

しかし経験上、こういう時は無理してでも食べた方が良いという事を学んでいる。

行くぞ、ラーメンだ。

車中は無言。

何をしても吐き気がする。

声を出しても、目を動かしても、考え事をしても、吐き気を誘発するのだ。

無になれ。

私は意識してただ呆然としていた。

美味しいと言って食べられる状況ではなかったが、何とか食べた。

しかし無駄ではなかった。

こういう時のラーメンは「薬」なのである。

体の隅々まで行き渡り、少しずつ元気が回復してくる。

言葉が弾み、笑顔ももれる。

良かった、もう大丈夫だ。

大丈夫なのだが、腹が減った。

さっき食べたばかりなのだが、体の隅々まで行き渡ってしまったために、もう切れてしまったのか。

まだ食べられる、ラーメン食べたい、とダンナに言うと、案の定ダンナは酷く驚いた。

ダンナは先程、山盛りの野菜ののったラーメンを汁まで飲み干して「苦しい」を連呼していたのだ、無理は承知である。

私達は立川のリサイクルショップに向かっていたが、帰りにはもう1杯食べる事になった。

今度は私が驚く番である。

ダンナ、大丈夫か??

ずいぶん回復しなたぁと思ったが、まだラーメン以外は無理、という感じだったのだ。

2軒目のラーメン屋に向かう途中に「とんかつ」「牛丼」の文字をあちこちで見たが、違う、そこまではまだ回復していないのだ。

なのでラーメンを連食することになってしまったが、もちろんこんな事は初めてだ。

頑張れ胃袋、肝臓を助けるのだ。

ふたりともペロッと食べてしまった。替え玉までして、スープも飲み干した。

フー、食べた食べた。

しかし。

まだ食える。

私は更に回復し、今度は肉・揚げ物のリミッターが外れた。

2杯目のラーメンも、どうやら単なる「薬」だったようである。やっと正常の状態に戻ったのだ、ここからが「食事」である。

しかしさすがに次はOKが出なかった。

仕方がないので、寝ようと思う。

起きていてもひもじいのだ。