いつの間にかボジョレー・ヌーボーがボージョレ・ヌーヴォーになっていた。
いまだその流れについていけていないので、古くからの呼び名「ボジョレー」で書かせてもらう。
解禁した。
毎年やってくるこの日だが、いまだにその意味が良く分からない。
解禁というからには禁じられている期間でもあるのか??
なぜ人々はこの日を待つのか??
しかし私達も年に一度の祭とばかりに、商戦に乗せられている単純な夫婦であった。
普段飲んでいるワインは、1本500円前後のものだ。
もしくは紙パックに入ったフランジア(3ℓ約1700円)。
どちらも堂々安酒だが、赤ワインに関してはそこそこ渋みがあれば良しとしている。
なのでそこそこで満足しているが、こういう味に慣れてくると、時々飲む普通のワイン(あくまでも「普通」だ。「高い」にも及ばない)がとても美味しく感じるという現象が起こる。
いいことずくめだ。
人々よ、安ワインを飲もう。
そんな価値観であるから、当然ボジョレーは高級ワインに属する。
それでも毎年買うのは祭であるからに他ならないが、どうやら今年は例年より安いと言うことだ。
いつもの激安スーパーに出向いてみると、なるほど2千円近いボトルの他に、890円、980円のフルボトルを売っていた。
ペットボトルだ(笑)
まぁそんな事はいい。安いのだ。
その安い2本を買って帰った。
今週は月曜から飲んでいなかったのだ。
ボジョレー。
安く手に入ったボジョレー2本。
祭である。
私はマスタード味のフライドチキンと、サンマのパン粉焼き、マカロニサラダを作った。
ダンナは今日の休日出勤と引き換えに、いつもより少し早く帰ってきた。
発泡酒を2本空け、いよいよ我が家のボジョレー解禁の時が来た。
コルク抜きさえいらない、簡単ペットボトル。
まぁ安けりゃいいのだ、趣など。
特別の日にしか出さないワイングラスに、980円のボジョレーを注ぐ。
いよいよだ。
この瞬間のための祭なのである。
年に一度の高級ワイン(一般では「普通のワイン」である)の日。
高い(一般には普通である)には理由があるのだ。
フランジアとは違う何かがあるのだ。
こんな事は初めての事だ。
みんなは今年のボジョレーをどう思っただろうか。
全然美味しくないのだ。
もしかしたらこれはこういう路線でいい味を出しているのかも知れないが、薄っぺらく感じ、非常にガッカリな味であった。
そう言えば、毎年のように「今年は当たり年!!」と言っていたが、今年は「安い!!」ばかりであった。
ハズレ年だったのか??
それとも安ワインに慣れすぎて、他を受け付けられなくなってしまったのか??
ペットボトルがいけないのか??
値段がいけないのか??
美味しいワインの条件とは何なんだろう。
安ければいいってもんじゃない事に気が付いた。
あんなワインでも、いつも私達はちゃんと「選んで」飲んでいたのか。
2千円のボジョレーで何かが分かりそうだが、そこまでは勇気がない。