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おとといの寝逃げが功を奏してか、今朝がた目が覚めたらそれっきり眠れなくなってしまった。
眠い。
今眠い。
猛烈に眠いが、出かけなくてはならない。
なので手短に。
そういった意味では、早起きであった。
しかし目覚ましが鳴っても、悔しくて起きる気になれない。
目覚めたくて目覚めたわけではないのだ。
しかも今日は、午前出勤ではないか。
もうどこにも寝る隙がないと思うと、忌々しい。
3度目の目覚ましを止めると、観念して起きた。
時間がないのだ。
今日は忙しいのである。
リビングに下りると、一番乗りであった。
主婦としては当たり前だが、何だか久しぶりの光景である。
猫たちがワッと寄って来て、ご飯を食べたい、とそれぞれの方法で迫ってくる。
う~~ん、猫が先かダンナが先か。
時計を見ると、もうダンナが起きてくるまであまり余裕はなかったので、猫は後回しだ。
言葉が通じないのをいい事に、このスルーっぷり。
朝ご飯は、すでに切って売っていたサラダと、ソーセージとスクランブルエッグである。
余談だが、私のレシピにはオムレツはない。
頑張ってもスクランブルになっちゃうんだよッEE:AE4E5
ソーセージを焼いたそのまままのフライパンで、卵を焼く。
菜ばしで卵を軽く混ぜて、あっ、ちょっ・・・。大五郎が・・・。
コイツは本当に本能のまま生きているので、旨そうな匂いなんかすれば、そこに向かうのみである。
彼は流し台の上に乗っていた焼きたてのソーセージに向かって、イノシシのごとく突っ込んできた。
しかしこんなことはしょっちゅうなので、流し台に飛び乗ったところで「ゴラ!」と一喝する。
一瞬の出来事である。
いつもの事だと思っていた。
ダイは懲りた様子もなく諦めてそのままカウンターから下りたが、卵を盛り付けて向き直ると、もう正面に座ってソーセージを狙っていた。
しつこいね、今日も。
ん??
あ??
何か違う。
最初私は、ダイがまたどこかつまらぬところに顔でも突っ込んで、埃まみれになってきたのかと思った。
ヒゲがフワフワなのである。
しかし良く見ると、ヒゲの大部分が縮れてカールしていた。
こ、焦げちゃった!
大五郎のヒゲが、焦げちゃった!!
どうやら流し台に飛び乗った時にフライパンの横を掠めた一瞬、コンロの火がダイのヒゲを焦がしてしまったらしい。
本人は気付きもせず、いつものアホヅラでソーセージを狙っている。
「ダイちゃんが大変だ!!」と騒ぎ立てるとダンナがすっ飛んできて、縮れて丸まったヒゲを見ると「ハクション大魔王みたいだ・・・。」と真面目に言った。
ヒゲなんて焦げても焦げなくてもアホヅラなのに、ますますアホヅラになってしまった。
このヒゲ、元に戻るだろうか?
そしてダイがイケメンになる日は来るのだろうか。