人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ナチスか救い主か

娘ぶー子の大学生活が始まった。

それにより本日は5時半起き。

・・・なんてーのはやはり無理で、気がついたら6時であった。

あぁこれからこんな毎日が続くのかと思うと気が重いぽ子である。

しかし早起きしただけあって時間がたくさんできた。

もちろん二度寝する気で起きたが、何だかもったいなくてそのまま起きている事にしたのだ。

この頃はゲームとピアノを我慢すれば寝ていいような気持ちになっていてずっとそれらをサボッていたが、久しぶりのピアノにゲームである。

合計1時間も座っていたにも関わらず、眠くはならなかった。

おおこれは、数ヶ月に一度のフィーバーが来たか。

私はコーヒーで更にテンションを上げ、今我が家で一番散らかっている音楽室の掃除に着手する事にした。

予定ではあと数ヶ月ほったらかしであったが、期待を裏切った方がいたら申し訳ない。

文字通り足の踏み場のない程散らかった物置部屋である。

どうやって先程ピアノまで到達したかというと、つま先で立って体をよじって色っぽくそこを目指したのだ。

散らかる原因は、

①片付けるのが面倒だから。

②片付ける場所がないから。

・・・と、大きくふたつに分ける事ができるが、面倒で放置したものは問題ない。

然るべき場所に持っていけばいいだけである。

問題は片付ける場所がなくとりあえず置いてしまったものだ。

そして頭の痛い事に、圧倒的にその方が多い。

まずは大きな枕をふたつ、和室の押入れに片付けると、床に放置してあった大きな袋を覗いてみた。

ぶー子の不用品である。

年末に片付けた際に出たものだが、もったいないので使えるものは残しておけと言ってあったのだ。

使えるものは私が使う。

エコではなく、ケチでしみったれている方である。

しかし何だかゴチャゴチャしたものがたくさん入っていたので、私はその袋を持って一度リビングに下り、使うものと捨てるものに選別する事にした。

ナチスぽ子による命の選別である。

しかし使えないものとは?

壊れているか酷く汚れているかというところだろうが、そんなものは一つもなかった。

どれもきれいだったが、困った事にそれらは徹底的にどうしようもない使い道のないものばかりである。

中国土産のパンダの絵葉書。

ミニアルバム。

CD。

オマケのフィギュア。

ゲーセンで取ったマスコット類。

最初私はそれらをひとつひとつ手に取りながら、捨てる郡に置いていった。

しかしこれでは全て捨てる郡になってしまう。

「まだ使えるよぅ。」

「きれいだよぅ。」という声が聞こえる。

思い直してまず、ミニアルバムを拾い上げた。

子猫が表紙の、小さいが分厚いものだ。

中には高校の集合写真が数枚挟んであっただけである。

仕方なく私は集合写真を写真類を保管している場所に入れ、アルバムは何かを入れるのに使おうとパソコンの横の棚に置いた。

しかし今から、その使い道は決まらないで長い間そこに置かれているだろう予感がする。

CDはもうMDなりパソコンなりに落としてある中古だったが、CDならすでにたくさんしまってあるのだ、いるのもいらないのも。

数枚増えたから何だと言うのだ。

そのうちCDのゲットーに踏み込んで生かす奴と殺す奴を選別する日が来るだろうから、それまでは一緒に生かしておいてやろう。

葉書のパンダと目が合う。

パンダである。

ゴリラやナマケモノとは違うのだ。

私は今、ただのひとつの文字すら刻まれないままに捨てられようとしている絵葉書の、愛らしいパンダと見つめ合っている。

絵葉書だと思うからいけないのだ。

メモ帳である。

絵葉書、救出。

オマケのフィギュアは腕や足が取れてたりしてグチャグチャだったからまとめて捨てようと思ったのだが、そういえば今、コレクションケースに少しずつフィギュアを入れているのだった。

もしかしたら仲間がいるかもしれない、と全部出したが最後、取れた手足を付けたら捨てられなくなってしまった。

これもいつか来る選別の日まで、他のものと一緒にしておくことにする。

フィギュアはいいが、これはいらんだろう。

同じ小袋に入っていたのだが、それはやはりオマケについてきた、ゲームのキャラクターのカードである。

しかしプラスティックでできたそれは、大好きなFFのシリーズである。

つまり素材も内容も、ちょっとスペシャルなのだ。

でも保管のしようがない。

こういう物を取っておくから、収納場所がなくなり散らかるのである。

飾れるものでも使えるものでもない。

捨てだ。

ところがその後に別の場所から、同じシリーズの3D仕様のカードが出てきた。

見る角度をゆっくり変えると、左右に分かれているリノアとスコールが走り寄っていく。すげえ!!

もう一度、捨てたカードを見る。

数年前に家族でキャンプに行った時にまとめて買ったのだ。

ゼルが出た、セルフィが出た、とまるでくじ引きでもやるように盛り上がったことを思い出す。

そう言えばゼルは、いつも購買のパンが売り切れで食べれないんだったよな。

それがエンディングでやっと食べてたっけ。

キャンプやFF8の思い出が走馬灯のように頭を駆け巡る。

そう。

これもキープだ。

結局捨てたのは古くなった財布だけであった。

音楽室のものが他に分散されただけである。

それでも音楽室の床に30センチ四方ほどのスペースができた。

私には結構満足な結果なのである。