人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ぽ子式お掃除法

遊びながら部屋がきれいになる。

しかも猫にも喜ばれる。

マジっすか!!

相変わらずエルは甘えん坊だ。

甘えん坊のイタズラっ子で、遊んでもらいたくていつもウズウズしている。

1日中、どこへでもついて来る。

皿を洗えば食器洗い機の上、化粧をすればテーブルに上り正面に座る、歯を磨けば振り向くとそこにいる。

しかし悲しいことにエルは、抱かれたり撫でられたりするのは嫌いだ。

手を伸ばして触れてしまうと、ウナギのようにスルリとすり抜けてしまう。

う~ん、つれない娘。

私とダンナの想いは、じらされてさらに募るのである。

そんなエルは今日も私にくっついて歩く。

皿を洗っているとキッチンのカウンターに座り、じっと手先を見ていたが、その時泡立ったスポンジから小さなシャボン玉が飛んで行った。

エルは目を丸くしてそれを追っていたが、すぐにはじけて消えてしまった。

そうかそうか、シャボン玉、気になるね。フフフ・・・。

皿洗い、中断。

私はケセランパセランの入っていたガラスの容器に洗剤を少し入れ、水を足した。

ストローを探し出すとそれらを持ってソファに座り、猫達に声をかけてみた。

久しぶりだな。

上手くできるかな??

ストローの先のふくらみはどんどん大きくなり、やがてそれはフワリと離れ、プカプカと浮遊した。

エルはビックリしたように見ていたが、そのうち近づいて鼻先をそれにつけた。

そしてそれは破裂する。

ぶったまげてエルは2、3歩後ずさったが、それでもシャボン玉が気になるようで、次々とできあがる不思議な球体を、じっと見ていた。

ただ、ちょっと怖いのか、もう近づいては来ない。

エルとミと、静かな時間が流れていった。

これは掃除である。

洗剤を床にまいたので、拭き取れば床拭きである。

ぽ子は仕事の帰りに、シャボン玉セットを買ってきた。

そして、案の定あまり喜ばれなかった。

得てしてそういうものなのだ。

ダンナが床を拭いている。

まぁいいか。

無駄ではない。