人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ミの悲劇

「ミ」一筋できた娘ぶー子だったが、ラが太ってからというもの、どうもラの方を構うようになってきた。デブ専である。

ミはちょっと難しい子だ。

媚びないのであまり構ってもらえないし、抱っこも嫌いなのでなかなか愛でようがない。

それでもなぜかぶー子はこのミがお気に入りで、ベッタリだったのだ。

そのせいかミもぶー子には良く懐いていた。

そのぶー子がミの目の前で「ラッちゃん、ラッちゃん♪」と始めたから、恐らくミは大ピンチであろう。

心なしかしょぼくれている。

それでも愛され下手なので自分からは寄っていかれず、遠くから「ジトー・・・。」と恨めしそうに見ているだけだ。

ところでミもラも良く吐く。

ちょっと食べる量が多かったり慣れないものを食べたりすると、すぐにクアッ、クアッ、ゲロゲロゲー・・・だ。

ミは昼ご飯を吐いた。昨日も吐いた。ぶー子は「ラのこのプヨプヨのお腹がいい!」と言っている。

なんだか哀れだ。

家事が落ち着いたところでミにおやつをあげることにした。エルのおやつだが。

ところがミがいない。部屋からは出てないはずなのに、どこにもいないのだ。

名前を呼べば出てくるだろうが、そうするとイモヅル式にラも反応し、「アンタ、私も呼びなさいよ、ご飯なんでしょ、ご飯っ、ごはん~~!!」と大騒ぎを始めるので、それは避けたい。

避けたかったがどこにも見当たらない。

「まさか、ミ・・・。」

猫は死期が近づくと自ら姿を隠すという。

「ミ!!ミーーー!!」

大声で呼んだ。案の定、ラの飯くれ騒ぎが始まったがそれどころではない。

しかしミは出てきた。窓とブラインドの間で寝ていたらしい。

安心したが、そんなところで・・・。ますます哀れだ。おやつあげるよ。

この「かにかま」という猫用のおやつは、ほんのちょっとしか入ってないのに250円もしやがる。

人間用のかにかまはいつも100円で買ってくるのに、だ。

「ホラ。」と私はミにあげたのだが、ものすごい勢いでエルが突っ込んできた。

ラはまだ1人で大騒ぎしている。

ミは食べるのがものすご~く遅い。

エルは食べるのがものすご~く早い。

このままではミが食べられない。

私は仕方なく、エルにもラにも分けてあげた。ミには多めにあげた。

エルは肩に乗せて口移しで食べさせる。

何故かと?もう聞かないでよ(笑)

袋から口に移す間ももどかしく、エルは食いついてくる。

私も私で意地になって口に入れるので、噛み付かれることになるが止めるもんか。

エルはズルパクズルパクと食べるとダダダと床に下り、のんびり牛のように食べてるミのかにかまにズルッと食いついて丸飲みしてしまった。

ミは怒りもせず呆然としている。

食べ終わったラがおかわりを要求してまた騒ぎ出した。

何か疲れた・・・。おやつは終わりにしよう。

見るとミは、食べる格好のまま床を見つめている。そこにあるのは自分のたらしたヨダレだけだ。

ミ、哀れである。

もっと積極的に構ってやろうと思う。