人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

うなぎ

今日は出かける予定だったから、昨日は飲み過ぎないようにしなくてはならなかった。

金曜日の夜である。

そんな事ができるのか本気で不安だったが、寝不足がたたってあまり飲めなかった。といってもワインを1本ほど飲んでしまったが。

寝ようと思ったら、猫のミを娘ぶー子が連れて行ってしまった。

私はダンナがイスで眠りこけている隙にエルを連れて寝ようと思っていたのだが、姉妹のミがいなくなりひとりラが残されたら、恐らく大鳴きする事になるだろう。

そんな事になったらダンナもラも可哀想である。

私は久しぶりにラを連れて寝ることにした。

エルが我が家に来るまでは、ミはぶー子にラは私にベッタリ甘えて幸せに過ごしていたのだが、エルの出現により私たちのミ・ラ姉妹に対する愛情がエルにも分配された。

正直に言うと体の弱いチビ猫エルの方が、その比重が大きかったと思う。

涙ぐましいことに、大きなラとミはちゃんと我慢した。

始めのうちこそ警戒して威嚇したりぶったりしたが、そのうち何でもエルの望むままにさせるようになった。

今ではエルの天下である。

ごめんね、ラ、久しぶりに一緒に寝よう。

寝なければ良かった。

今朝はいつもより2時間近く多く寝れる予定だったから昨日は安心して夜更かししたのだが、ラはいつも通り6時20分に鳴き出した。

朝ご飯の要求である。

あぁもうこんちくしょー!!

私はラをリビングに連れて行き、ご飯はやらずに寝室に戻った。

食いたきゃダンナを起こすが良い。しかしあの人が猫が鳴いたぐらいで起きるかねぇ、フッフッフ。

娘ぶー子のダンスのレッスンの送り迎えの合い間に、近所の産業祭に出掛けた。

JCOMのローカルチャンネルの撮影が来るらしく、休日だというのにちゃんと化粧をして出向いた。

そしていつもなら首から家の鍵を子供のようにブラ下げているのだが、これもバッグに入れた。

インタビューとかされたらどうしよう?クールに?笑顔で??

長年会ってない人が見るかもしれない。

「『ぐ~たま♪』ってやるんだよ。」ダンナが振りをつけて言う。

実はこのローカルチャンネルをいつも見ているのはダンナである。ぐ~たま♪ってなんじゃい。

映りゃしなかった。

時間がないので食べ物だけ買って帰った。

ダンナがJCOMで情報を仕入れた「黒カリー」とケサディージャ、どっちも200円でおいしかった。

くっそー、明日晴れたら自転車で行って酒飲みながら食べるぞっっ。

ぶー子が戻るとうなぎを食べに虎ノ門まで行く。

近所にうなぎ屋がないほど田舎なのではなく、ダンナが仕事先の近くのうなぎ屋で食べた時にその店でやってたクジで1等をひいて、うなぎ券が当たったのだ。

しかもダンナは先輩のおごりで食べに行って、1銭も払っていない。

タダうなぎを食べに行ったらうなぎ券が5枚、向こうの方からやって来たのだ。

ところで「近所にうなぎ屋がないほど田舎なのではなく」と書いたが、近所にあってもうなぎ屋など行った事がない。

100円マックで充分満足できてしまうので、なかなか行く機会がないのだ。

うなぎの帰りには新宿で買い物をした。

ルミネ→アルタ→サブナード→ペペ→西武新宿線の予定であった。

ルミネではPLAZA(「SONY」はどこにいった??)にKittenWarのカレンダーを買いに行ったのだが、実際見てみたらどの仔よりもうちのエルのほうがかわいく見えるのでシャクにさわり買わなかった。

サブナードではかわいいペット用品を売ってる店にぶー子が行きたいと言うので入った。

ペットというか、犬用品だ。

洋服がたくさんあり、ぶー子はこれを見るのが好きで毎度ここに寄っている。

ぶー子は私とどんどん店の奥に入り、どれがラに合うか、ミにはこれがいい、エルにはこれ、と猫に着せる前提で品定めしていく。

さぞかしダンナは退屈しているだろうと振り向いたら、ダンナは真面目な顔でトナカイの服を広げて手を通してみたりしていた。

「あれ・・・エルが着てるところ浮かべてるよね・・・。」

「トナカイだよ・・・。」

ダンナは本当にエルを愛している。

この後、家でご飯を食べている時にもそんな情景が見られた。

相変わらずエルはご飯になるとテーブルに乗って皿にちょっかいを出す。

「こーらっ。」「だーめっ。」と一番近くにいるダンナが彼なりのMAXのしつけをしている。

「だぁら、こいつはバカなんだから叩かないとわかんないんだって!!甘いんだよ!!」ぶー子がじれてくる。

「手が届かないんだよ・・・。」と言いながらエルに肩に乗られている。

肩に乗ったってダンナの箸や口元に手を伸ばす。

「ダメでしょっ!!」おー頑張って怒っているが、全く効果はない。

「なんでぶたないの!?ぶたなきゃわかんないよ!!」ぶー子も極端だが、確かにエルには効いてないねぇ。

「ねえ!!」

日頃からエルへのえこひいきを良しとしていなかったぶー子が、だんだん怒り出した。

するとダンナは、

「こらーっ!!ペシッ!!」と大真面目に音だけ口で出し、叩くジェスチャーをした。

「はぁ!?ぶってねぇし!!はぁ!??」

無理だ。ダンナは一生エルを叩かないだろう。

そしてエルは一生テーブルの皿にちょっかいを出すのだろう。

ふー、もう9時か。

昨日あんまり飲めなかった分、今日は一生懸命飲みます。

では。