子猫エルを今度は西川口の病院へ連れて行く事になった。
西川口・・・?一体どこにあるんだ。
2時間はかかるだろうと思っていた。
初めての場所だから迷ったら2時間半か。
ところが調べてみると、最寄り駅から30分程で着く事がわかった。
川口など山のふもとだと思っていたのだ。
意外とここもふもとだったのか。
しかし実際は、最寄り駅までバスで15分、乗り換え1回、しかも乗り換えた時に逆に乗ってしまった。
戻って西川口に着いたら、さてどうするよ?
あまりマジメに考えていなかったのだ。
地図はダンナが印刷しておいてくれたが、右上に「1.944km(徒歩約25分)」と書き込んであった。
1.944km、徒歩25分。
駅から赤い線で目的地までのコースをたどってあり、目的地には青く丸がしてある。
そこに矢印を引いて「1.994km(徒歩約25分)」と書いて、その文にも目立つように丸がしてあった。
せっかくA型らしくここまでやってもらったが、これは必要ない。
なぜなら1.944kmも歩けないからだ。
タクシーに乗る。
「K動物病院にお願いします。」と言うとすぐに発車したが、
ちょっと行くと「どこそこを右ですよね?」と聞かれた。
初めて来たのだ。初めて聞いたのだ。いまだにそのどこそこが何だったのかもわからない。
「私も初めてで・・・。」と言うと、「多分そうだと思うんだけど・・・。」と進む。
お、そういえば地図あったじゃん。
それを言うと「ちょっと貸して下さい。」と結局最後まで見ていた。
思わぬところで役に立った。
丁寧親切な地図だっただろう。
帰りはバス停の場所を聞いて、バスで駅に帰った。
「この道を出てすぐの信号を入れて3つ目の道を左に曲がって・・・。」
途中でもう何が何だかわからなくなった。
こうなるともう諦めてしまって、理解しないまま次の行動に移ってしまう。
辛抱強く理解するという能力が低いのだ。
「信号」「3つ」「左」、これだけしか覚えられなかったが、何とか着いた。
なまじっか着いてしまうから、辛抱強く理解する能力が育たないのだろう。
西川口の駅に再び立つと、困ってしまった。
今度は東久留米の動物病院へ行かなくてはならないのだ。
ここからどうやっていくのだ?
券売機の上に路線地図があるが、西川口のあるJRと、東久留米ある私鉄と別々に出ているので、繋がらない。
一体全体どうしたらいいのだ。さっぱり訳がわからない。
途方に暮れたがいい事を思いついた。
携帯で調べられるじゃないか。みんな、知ってるか??今の携帯はこんな事もできるんだぞ。
「西川口→赤羽→池袋→東久留米」
なに?一度大都会に出ないと戻れないのか?
じゃあ花小金井からでもいい。
「西川口→赤羽→池袋→高田馬場→花小金井」
ここも大都会経由、しかももっと遠回りだ。
くそ、病院からは遠くなるけどそうしたら武蔵小金井だ。
「西川口→赤羽→新宿→武蔵小金井」
どうしてこう、一度赤羽に出してから都会に行かせたがるのだ?
ちょっと待てよ、西川口も武蔵小金井も同じJRなんだから、目の前の路線地図ですぐわかるじゃないか。
「西川口→南浦和→西国分寺→武蔵小金井」
別に都会になど憧れていないから、これで充分だ。
ところで、経路の候補が他にも出る事に気がついたのは
家に着いてからだった。
ここからバスで20分ほどかけて、やっと病院に着いた。
もう1時半だ。腹減った。
先生と話をしている間に「ぐーーーーーーーー。」ととても長くお腹がなってしまった。
はぁ、今日はこんなに動いたし、何かちょっとうまいもん買って帰ろう。
ここから今度は東村山の家に帰らなくてはならない。
幸い家はここ東久留米と東村山の境目近くにあるので、バスでギリギリ東村山近くまで行き、後は歩いた。
家に着いたら3時だった。
結局病院付近にもバス停から家までにも、ちょっとうまいもんなど売っていなかったのだ。
そんなものが近くにあったらこれまで何度も買っているはずだ。
今日に限って売っていることはないのだ。
家に着いて「とうとううまいものがゲットできなかった・・・。」とガックリしてそこらじゅう漁り、
結局100円で買ったカップヌードルを見つけた。
冷蔵庫に賞味期限が19日のベーコンを見つけたのでこれも焼いて食べた。うまかった。
今日の晩ご飯もマルフジの惣菜だ。
「鶏皮餃子」なるものが人気だったので毎回買っている。
もう作るだけでなく選ぶのも億劫になってきた。
正直、エルの事で頭がいっぱいで、余力がない。
仕事を掛け持ちした時も、子猫を3匹保護したときも同じような言い訳をしたな。
自分、一途で不器用なんッス。
って事で。