ミッツが我が家に来て、8ヶ月が経った。
犬との付き合いは初めてだ。分からないことだらけで戸惑いの毎日だったが、やっと少しずつ分かってきたかな、というところだろうか。
鳴き方、表情、しぐさ。
最初は何も分からず、恐ろしかった(笑)今思えば、ミッツもさぞかし恐ろしかったことだろう。
「ワン」にも色々ある。低い太い声のワン、キャンに近いワン、ウーは怒っているとばかり思っていたが、そうとも限らないことが分かってきた。焦れている時。猫に向かって唸っているのも、どうやらそばに行って匂いを嗅ぎたいからのように思えてきたのだ。
それでも、まだ自信はない。まだまだ勉強中であることには変わりはない。
果たしてミッツは私をどう見ているのか。
散歩では相変わらずグイグイだし、まだ主従関係は出来上がっているとは思えない。
信頼関係がなければ主従関係も生まれないだろう。私はまだ信頼されていないのだろうか。
ある日、ミッツがむせるように咳き込む声が聞こえてきた。聞いたこともないような声だ。ビックリして部屋に行くと、何か喉につかえたのか、飲み込もうとしたり吐き出そうとしたりしている。
大変だ、どうしよう!?
病院病院、しかし当のミッツはケロッとしている。どうも喉に何かが引っかかってるように思えるんだが。
意を決して、喉に指を突っ込んでみた。怒るかなEE:AE5B1噛まれるかなEE:AE5B1
指を突っ込まれたミッツは、苦しくてもがく。アグアグと噛もうとはするが、力を制御しているのが分かる。
指を抜くとミッツは、キチッと座り直してこっちをじっと見た。
私は感じた。この子は私が助けようとしていることが分かっている。
続けて何度も指を突っ込んだが、ミッツは指を抜くたびにきちんと座って大人しくこっちを見ていたのだ。
結局病院へ連れて行ったが、レントゲンでは異物は映らなかった。ただ、映らないことも多々あるらしいので、要注意とのこと。
その後は少しずつ落ち着いて、2、3日ですっかりいつものミッツに戻っていた。
素人判断だが、多分、そんなに大きくないものが引っかかっていたのか、消化されたのか。
大事に至らず、良かった。
そうそう、一人で車に乗せたのも初めてであった。
クレートを嫌がったので、リードを運転席のヘッドレストに繋いで後部座席に乗せた。
いい子であった。無事に行って帰って来られたのだ。
案外いい関係になっているのかな。
そんな気持になった出来事だったのだ。