「ツイてない日」なんていうのは存在しなくて、それは単に自分がマイナス要素ばかり拾ってしまうだけじゃないかと思っている。
きっと「ツイてる日」に拾えるようなプラス要素も見えていない。自分でツイてない日を作り上げているのである。
そう考えた方が、希望があっていい。一日の運命は決まってるんじゃなくて、自分で作ることができるのだ。いい日にも悪い日にもできる。
なんてーのも理想論だったかと思うような一日であった。
まず、昨日はブログのグルメ記事が長くなり、下書きの予定時間を圧迫した。
私はとにかく「予定が狂う」という事態にストレスを感じてしまうのだ。これにより焦りが生じる。
絡まったPPヒモの画像で残りの記事を逃げ、次の予定「晩ご飯、翌朝ご飯の献立を考えて買い物リストを作る」に入った。
私はレシピを見ないとまともな料理ができないので、家にある食材との兼ね合いもあり、このように時間を設けて考えないとならないのである。
30分かかっても決まらなかった。
何冊もレシピ本を出してページを繰るも、残り食材が取っ散らかって上手い具合に使いまわせないのである。
何だか変な組み合わせのまま、決まらないものはもう買い物先の出たとこ勝負で決めることにした。スケジュールが狂う。これ以上時間は取れん。
次は買い物だ。アドバンテージのチャンス。急いで終わらせて、余裕を作りたい。
ところがふと犬のミッツを見ると、あれ?いつもこんなんだったっけ??
どうも呼吸が荒いように見える。
ミッツは横たわっていたが、胸を大きく膨らませて上下させていた。
心配になって来る。
ネットで「犬 呼吸が荒い」を検索しまくる。読めば読むほど一大事だ。
十数年前に「子猫 呼吸が荒い」を検索しまくった日々。お陰様で今エルは元気である。
呼吸が荒くなる原因は、いくつかあった。
病気。誤嚥などの事故。
一分間に20~30回が正常の呼吸数となっているが、ミッツはその倍にもなっていた。
そう言えば、朝の散歩の前に、骨型ガムの一部を丸のみしていたが、あれか?
病院へ行く支度をした。
一人で車に乗せるのは初めてである。
これまでは後部座席で一緒に乗っていたが、ミッツは支えていないと踏ん張れないで倒れてしまう。誰かもうひとり欲しい。
しかし娘らに連絡しても返事はなく、クレートに入れていくことになった。
クレートは現在ミッツの雷避難場所となっていて、扉を外してあった。これをつけるところからだ。
構造が分からんEE:AEB64謎解きである。こういう時私は、これをゲームになぞらえる。大丈夫、できる、君は優秀なゲーマーだ。
ネジが余ったが、何とか形にはなった。良し、今度はこの中にミッツを・・・。
・・・・・・・・・。
ところがミッツ、相変わらず呼吸は早いが、とにかく元気なのである。全くいつもの様子と変わったところがない。
ニターッと口角を上げて笑い、二本足で立って尻尾を振っている。エサをあげると喜んで食べた。
・・・これ、どうなん??
確かに呼吸は早いが、具合が悪いようには見えない。
ミッツはフィラリア持ちだから、そもそもの呼吸が少し早かったりするのか?
いずれにしろ緊急性はなさそうである。何なら診察は午後にもあるし、様子をみることにする。
少し安心したが、1時間のロスだ。ダメダメ!ロスとか考えるから、ネガティブになるのだ。それ、「ツイてない日」の始まりね。まぁこんな日もあるさ!買い物に行こう。
店の品揃えは、パッとしなかった。「出たとこ勝負」の献立をどうすることにもできない。仕方がなく、候補に挙げた献立全ての食材を買って行った。どうするかは後で考える。
家に帰ると、ミッツの呼吸は落ち着いていた。
室温が高いと呼吸が荒くなることがあるというのでエアコンを寒めにかけていったのだが、どうやら単に暑かっただけだったらしい。
何事もなかったのは喜ばしいことだが、「暑かっただけ」にこれだけ大騒ぎして精神的労力を注ぎ込んだ滑稽さに、腹が立って来た。時間を返せ。
「ツイてない日」に決定した瞬間であった。
もう今さらスケジュールの修正もできず、すっかり腐ってしまった。何もしたくねー。
スケジュールなんかどうでもいい、消去法でやる気になれるものからやる。なんか晩ご飯の献立が大変なことになってそうだから、それからやるか。時間が余ったらご褒美で休んでやる。
結局候補に挙げたものを全て作ったので、全部作り終わったのは3時間半後であった。
しかも「和風ラタトゥイユ」というものが絶望的に美味しくなかった。
もう今日は、運動も風呂もどうでもいい。というか、そんな時間はない。
ミッツの散歩に行かなくては。
準備をして玄関を出たら、雨が降っていた。
もう敏感になっているネガティブセンサーが反応する。ツイてない。
戻ってミッツにカッパを着せ、自分も着る。
玄関を開けると雨は止んでいた。なんなんだよ、もう。
ご飯を作っただけで終わった一日であった。そのうち一品はゲロマズ。
こんな一日でも、良かったことはあったはずである。一日を振り返って「良かったこと」を書き出してみる習慣をつけるといいなどと言うが、書こうと思えば書けるだろう。
ミッツはお散歩でおりこうさんだったし、ナスが安く買えた。何なら寒かったが「暑くなかった」などと言えば、いくらでも良かったことなどありそうである。
それらが見えなくなる「ツイてない日」。
「ツイてない日」は存在する。
自分が弱いうちには。