「来週あたり、また戻ろうと思うぞよ」的なメールが、娘ぶー子からきていたのだ。
撤去されて行方不明だった自転車が現れたことや、手紙がいくつかきているなどと知らせた後である。
土日は酔っ払ってるか寝ているかなので平日の方がいいと言ってあったのだが、その結果、29日に来るということで話はまとまったのだった。
その後もポツリポツリと他愛のないメールのやり取りがあり、少しずつその間隔が開いてきた頃に、「なんかいろいろ疲れた、もう」という絵文字なしのメールを受け取った。
家を出て、1ヶ月だ。
最初のうちは自由を謳歌し、何もかもが新鮮だったことだろう。
しかし、自力で生きるということは大変なことなのである。そんな事が身にしみてきたのだろうか。
「少しゆっくりしていけば?」と返すと、丸一日経ってから、「うん、31日に帰ろうかな」という返事。
うん??
帰ってくるのは28日じゃなかったっけ??
昔からぶー子の文章は、主語や大事な目的語が抜けたりして意味がわからなくなる事が良くある。
「いろいろ疲れた」→「ゆっくりしていけば?」→丸一日後に「うん、31日に帰ろうかな」。
これはもしや・・・、またリタイヤ!?
・・・ではなかったEE:AE4E6
彼女にとって「帰る」場所はもうここではなく、あっちなのであった。
つまり「28日に行って」「31日に帰る」という、新春2泊3日ツアーという意味だったのだ。
良かったというかガッカリというか、複雑な気持ちである。
そして昨日深夜。
私はいま全力で「早寝早起き」に取り組んでいるのだが、昨日は寝る前のゲームのセーブポイントが遠く、寝るのが遅くなってしまったのだ。
1時だ、早く、着替えて、目覚ましを、・・・その時、携帯がプルルと鳴り出した。
深夜1時過ぎの電話。
いつもなら電気を消す時に携帯の電源を切ってしまうが、こんな日に限って誰だ??
「うふふ、あー起きてた??あのねあのね、」まぁこんな時間に電話をかけてくる根性があるのは、身内ぐらいのものである。ぶー子はどこか楽しそうに、「あのね、それがさ、」と話し出す。
試食販売のバイトをした時に、残り物をたくさんもらったからそれを持っていこうか??と。
このバイトには販売の前に試食会というものがあるらしく、ほとんど手をつけないものや全く手をつけないものまでたくさん捨てられてしまうらしい。
もったいない話だ。
散々腐らせておいて言うのもなんだが(只今豚バラ肉腐食進行中)、こういうもったいなさには我慢がならない。
ついでに言うとダンナもそういう人であり、そのふたりの子供であるぶー子もそういう人に育っているのだった。
持ってきなさい、例えそれが青汁でもアンコ1キロでも、私が救おうじゃないか。
珍しく約束の時間にきちんと現れたぶー子は、大きな旅行用のスーツケースを持っていた。
まだまだあっちの家に持って行きたい物があるようで、それ自体は何もおかしなことではない。
しかし車にそれを乗せようとしたら、重くて持ち上がらなかったのだ。
「フンムーEE:AE4E5」とふんばって、柔道の技のように何とか押し込んだが、なぜこんなに重い??
「まぁ見てよEE:AE595」早く獲物を見せたいようで、家に入るなりぶー子はスーツケースを開けた。
ギョEE:AE4F4
こんなものが入っていたとは、誰が想像できようか。
してその内訳。
日本酒5本+小パック1、焼酎5本(または大パック)、ワイン4本(うち1本は1.5ℓ)+小パック2、ウィスキー大小合わせて3本、間違えて持ってきたノンアルコールビース1本、のり3パック、お茶1パック、ラーメンの具5連、ジャム2、はちみつ1、赤飯の素1、プルーンのシロップ漬け試食用1、ミニタバスコ1、紅茶パック1、粉末すし酢1パック、液状すし酢1。す、すし酢~!?
多くは酒だ、時間さえかければ確実に消費できるが、そこでいい事を思いついた。
「この酒を飲みつつ、手巻き寿司を食べる」。なんて合理的。
と言うことで、今夜は手巻き寿司となった。
今からもう、明日の朝起きる自信がないので、肉まんを買ってきた。
早く帰ると言ったダンナはいつ現れるか。
昨日は10時半だったがEE:AE4E6