人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

気合だッ

「だめええええええええええええええええええええっっっ!!!」

毎日私の叫び声が響いている。

ダメ!

コラ!

そして呟きがもれる。

ああ・・・。

もう・・・。

ラとミの2匹の時には、こんなことはなかった。

どこぞの保護団体から頂いた姉妹猫だが、きちんとしつけられていて、叱るような事はあまりなかったのである。

この頃は年老いてきたせいか、おっとりとして寝ていることが多い。

良く吐くが、それをキャッチするのに技術がいるぐらいである。

ところがエルが来て、家はグチャグチャになった。

やんちゃだったのは最初の頃だけでイタズラなどで手を焼くことはないが、とにかくトイレがEE:AEB64

相変わらず好き勝手自由気ままにチチッとコロンとやっている。

これについてはもう諦めた。

置けるだけペットシーツを置き、ホットなニュースペースを見つけられてしまったら、その都度拭き取る。

それでも見ている時に変なところにしゃがまれたら、「こら~~!!」とどかすようにしているが、減ったとは言え2日に1度は「こら~~~!!」「ああ・・・。」である。

しかしこれだけ私達を困らせるエルも、今だ天使扱いである。

そこへチンピラが来た。

黒猫小坊主大五郎。

ミルク飲みの子猫だったのだ、やんちゃはしょうがないと観念していたが、生後6ヶ月にして姉妹猫と並ぶほど大きくなったダイは、中身だけはまだ子猫である。

ものすごい勢いで暴れ、3匹の猫たちに因縁をつけて絡み、大事な本を破き、洋服のリボンやヒモに突然飛び掛ってくる。

エサの袋に顔を突っ込み、キッチンに上ってフライパンを舐め、テーブルの上の私達のおかずをかっさらって行く。

エルも子猫の頃は良くあった事だが、例えばテーブルの魚を持って行くにしろ、「よっこらしょEE:AE5B1」というように苦労してくわえ、トトトトト、と可愛らしく走り去るので叱りにくいところがあった。

ところがダイは、もうチンピラ野生児そのもので、ウーと唸りながら「オレのメシ、触るんじゃねえEE:AE4E5」とばかりに凄い勢いで食べ始めるのだ。

こんな爆弾がいるので、我が家には怒号が絶えることがない。

しつけも大事だが、工夫も必要になってくる。

「私がこっちこうしてるから、その間に!」だとか、その間にもアチャーな出来事が起こったりして、何だか忙しい。

こんな毎日を送っていて思い出した。

こりゃ、子育てだ。

小さな子供が何人もいるお母さんは、たくましい。

テレビなどで見て「すげーな」と思うことが多々あったが、私も日々たくましくなっている気がする。

もう怒鳴るだけでは効果がなく、「ゴルア」とドスをきかせたり「グオー」と猫の真似をして唸ったりもしている。

無駄にダイがケンカをふっかければ、「ダメ!」「ダメ!」「ダメ!」「ダメ!」「ダメ」と「気合だッ気合だッ気合だッ」のようにしつこく繰り返す。

毎日が戦いだ。

しかしやがてみんな、疲れて眠る。

気持ち良さそうに寝ている姿を見ると、しつける苦労など吹っ飛んでしまう。

そんなところも、人間の子育てと変わらないのではないだろうか。

・・・と、きれいにまとめたが、本音はエルのトイレだけでも何とかして欲しいのであった。