人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

予感 ~知らない方がいいこと~

ダンナと結婚して20年。

色んなことがあったが、ひとつずつ乗り越えて、今の形を作ってきた。

思いやり。

それが夫婦に一番必要なものではないかと、今、改めて思う。

私達はあまり隠し事をせずに、ありのままでぶつかり、話し合ってやってくる道をとっていた。

それには我慢、忍耐、辛抱というものが要求されるが、それによって譲り合い、思いやる事を知ったと思う。

しかしこの頃思うようになった。

「知らなくてもいい事もある。」

知らない方がいい事も。

それを知る事によって心は揺れ、傷つくこともあるのだ。

もういい、言わなくても。

その時は何となく判るから。

そう言って私は、自分を守る事を選んだのであった。

それから私達の間に「タブー」ができてしまった。

ダンナはそしらぬ顔をして帰ってくるが、分かる時もある。分からない時もある。

しかしそれには触れない。

私は迷いたくないし、知りたくもない。

聞きたくない。

考えたくもない。

今私は、予感がしている。

悲しい事に、感じてしまうのだ、そういった空気を。

でもダンナはいつものように帰ってくるだろうし、そこから私も何かを言わせるような事はしない。

揺れるから。

揺らぐから。

ダンナは何も言わずに風呂に入るだろう。

そして何も言わずに冷蔵庫に向かい、

ビールを取り出すだろう。

私はその不思議な飲み物には気付かない。

揺れるから。

揺らぐから(泣)

こうして平日の酒を飲まない努力をしているのだが、今夜は予感がする。

理由はない。

予感だ。

私?

昨日飲んでないしね。

いいんじゃね?今日は。