1時間半もかけて磨いた風呂場の床に、誰も気づいてくれないのであった。
まぁ家中、散らかって汚いところだらけなのだ。
風呂の床ひとつきれいになったぐらいで、誰も気づきはしない。
しかし、頑張って家事計画を立て、実行していた時期もあったのだ。
何か、あったはずの時間が少しずつどこかに吸い取られているようだ。
せいぜい掃除と洗濯、アイロンがけあたりをしたところで、タイムアップなのだ。
だから、問題点が一向に改まらない。
例えば壁のコルクボード。
サービス券や習い事のスケジュール、レシピなどが貼られているが、貼りっぱなしで増える一方である。
サービス券などは貼った事で安心し、やがて忘れ、使わないまま期限が切れるのだ。
そのような事がないように、こうして見えるように貼っているのだが。
例えばダイニングテーブルの上。
うちは3人家族なので、1人分スペースが空く。
ここにとりあえず置いた雑誌やチラシ、ダイレクトメールがそこに定位置化してしまっている。
馴染む、というのは恐ろしいもので、これを見ても何とも思わないようになってしまった。
なので、アレが積んである状態で、片付いているのだ、私には。
この「慣れ」というものは、片付けの大いなる敵である。
風呂場には空になった詰め替え用のシャンプーの入れ物、古くなったカミソリ、使い終わった洗顔フォームのチューブなどが溜まってくるし、
本棚の上のワインラックのスペースには、最初はアイロンが、次におかずを猫のつまみ食いから守るビニールキャップ、そしてレシピの切り抜きに古い電球。
シャレたスペースにしたかったのに、いつまでたっても垢抜けない生活感のある物置である。
しかし、少しずつながらも「毎日の掃除」の他の箇所に手をつけられていた頃もあったのに、時間はどこに行ったのだ??
ゲーム。
ピアノギター。
パソコン。
全て娯楽ではないか。
しかしだよ、じゃあ私にいつ娯楽しろと言うのだ!!
たかだか15分や30分じゃないか。
あ。
それを全部足すと、キッチンの収納棚が片付きそうだ。
そうか・・・。
いつも時間のなさを嘆いているが、ちゃんと時間はあるのだ。
好きに使っているのだ。
しかしこのままでは、ゲームは先に進んでも家が片付かない。
全部欲張りたいのだが。
考えた。
そうだ、いつも効率が悪いのだ。
ダンナや娘ぶー子がいる時には見栄を張って遊ばないのだが、実はその時間が一番遊んでいる。
つまり、ボケッとみんなが出掛けていくのを待っているのだ。
しかし、そんな早朝からバリバリ働く能力がない。
朝はホゲ~ッとしているものなのだ。
ならば、やるべき事を前もって書き出しておけば良くないか?
でも、家事計画表計画はついえたのだ。
あんなもの、毎日でも毎週でもいちいち考えて計画できないっつの。
発案者・ぽ子だが。
では新しい提案をしよう。
やるべき事を一度にまとめて書き出しておいて、朝になったら目に付いたものに着手する。
その時の気分で選ぶが良い、ダメ女ぽ子よ。
早速私はテーブルに着き、やるべき事、掃除ポイント、我が家の問題箇所などを次々と書き出した。
パチンコ屋の広告の裏が、真っ黒に埋まった。
今日思いついただけで、88の課題が与えられた。
うんざりか?
それが、これを見たら俄然燃えて来た。
これはゲームである。
これらを早急に消していくという、挑戦なのだ。
今日の家事は「家事ポイントを書き出す」で終わってしまった。
しかしこれは、まっとうな主婦の午前を過ごすための伏線である。
明日はこの広告の裏のメモを、手帳に写して1日終わりにしたい。
・・・希望である。
こんなに小さくはかない希望が叶わないのは、私が小心者であるからに他ならない。
ハイ、明日からバリバリ働きますので、風呂の床、気付いて(泣)