人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子57歳。

前世療法 / ブライアン・L・ワイス

魂だ転生だとスピリチュアルな方向に傾いている今日この頃だが、この本はどちらかというと興味本位で読み始めたものである。

個人的には、人は死んだら魂に戻るという風に考えているが、その先がどうなっているかまでは良く分からないでいた。

漠然と転生を繰り返すのかなぐらいに思っていたが、それを知ることができたら私の死生観はより豊かになれるだろう。そんな期待も込めて。

 

著者のブライアン・L・ワイス博士は、精神科医であった。

華やかな経歴を持つ、その世界での第一人者であり、前世などという非科学的なものは信じてはいなかったのだ。

ところがある時、重度の精神病患者・キャサリンを任される。彼は退行催眠を試みるが、驚いたことにキャサリンは、次々と前世を語り出したのである。

キャサリンは非常に細部までを語り、知り得ない当時のことまでも話すことができた。

ついには精霊たちがキャサリンを通して博士に語り掛けるようになるが、聖霊は何でも知っていた。博士がごく近しい人にしか話していなかったようなことも。

やがて博士は確信する。これは事実だ。自分は自分の役割を果たさなくてはならない・・・。

 

興味深いのは、博士が「医者」という科学者側の人間であるから故、ひとつひとつ検証して確信を深めていくことである。

彼は、慎重だった。しかし実際に起こっていることを否定できる根拠がないのである。

これを公表するまでには、時間がかかった。しかし今博士は、転生、輪廻について、医者や科学者がもっと関わっていくべきだと、提唱する。

それは単なる宗教的な意味合いのみならず、前世を振り返ることで患者が回復するという現実的な面もあるのだ。これは目に見える科学的な部分と言ってもいいだろう。

とは言え、多分に宗教的だ。そんな宗教と科学の垣根を自然に超えさせてくれるのが、本書なのではないか。

宗教と実際に起こっている臨死体験の合致に、必然を見る気がする。

 

生まれてくる意味。

それを知っているのと知らないのとでは、生きる価値がまるで違って来るだろう。

現世に生きる私達に、進むべき方向をも教えてくれる一冊だ。

 

ぽ子のオススメ度 ★★★★☆~★★★★★

「前世療法」 ブライアン・L・ワイス

PHP文庫