酔っ払ってしまうと、ベッドまで行くことが難しい。
外から帰ってきたら玄関や床、家で飲んだ時はソファなどで撃沈している。
それでも多少は意識がある時は、「犬部屋」で寝てしまう。
猫がいるので、夜になるとミッツは犬部屋のケージに隔離となる。
未だにケージに入れているのは、単に家に迎えた時の名残であることと、ケージに慣らせておいた方がいいという説もあることで、本犬も大人しく毎晩入っているのでそのままとなっている次第だ。
これが酔っていると「特別特別♪」などといって、ドアも開け放ちリードもなく、私はミッツの犬部屋でひっくり返るのだ。
こんな時ミッツは、すっ飛んでやってきて私の顔を舐める。
「ぽ子様一緒に寝る」という事態に喜んでいるのか。それとも私が倒れたことを心配しているのか。
いずれにしろ私はミッツの愛を感じ、至福の眠りへと落ちるのだ。
ある時私は、ネットで「犬が顔を舐める理由」を検索した。分かっていながら「愛されている」というさらなる後押しを喜びたかったのである。
意外な事実が分かった。
鼻の穴の塩分を舐めているそうな。
「顔」と書いたが、確かにミッツが良く舐めるのは、鼻の穴と口の周りだ。美味しいとこばかりということだ。
それでも私はまた懲りずに、犬部屋でひっくり返る。ミッツはすっ飛んできて舐める。私は愛を錯覚する。
今夜もそんな茶番があるのだろうか。
休日だ。レーズンバター、解凍中。