人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

97枚のチケット

断捨離だなんだと気合を入れていた割に、片付けは遅々として進んでいない。

断捨離どころか、通常の掃除すらままならない状態だ。なぜこうなる??

時間が足りないのだ。

それにしても、以前に増して時間がないような気がしてならない。

原因を考えてみたら、それはブログの下書きのせいであった。

休日に書き込む時間がないので、ある程度ストックしておこうと多めに下書きを入れるようになっていたのだ。

もういっそ、休日のブログはお休みしようかと考えている。

そんな中で細々といらないものの処分に手をつけていた。

常にそこに置いてある事で、もはやインテリア化していた雑誌の山。

毎日目に入るにも関わらず、その存在すら忘れていた山であった。

これは断然処分だ。

もう10年以上前に、父からもらった雑誌であった。「地球旅行」。その数97冊。

一冊一冊は薄く、それぞれひとつの国の紹介をしている週刊誌であった。

旅行マニアの父が「いらないか?」と言ってきて、たいがいこういう時は私に持たせたがっていることが分っていたので貰い受けたのである。

これだけの数だ、持て余す不安がなかった訳ではないが、そもそも私自身がドケチで物を捨てたくなかったこと、深く考えなかったことで、その97冊が我が家にやってきたのだった。

それは2回の引越しをも乗り越えて、まだここに定住している。

その存在を思い出すにつけ、いらないのではないかと思ったりもしたが、「地球旅行」は写真をふんだんに使った丈夫な作りの綺麗な雑誌であり、いつか絵を描いてみたいと思っている私のちょうどいいモデルになりそうだと考えるところでいつも終結していたのだった。

そこで断捨離だ。

10年も読んでいない97冊の雑誌。

そして私には、当分絵を描くような予定はない。

いつかは、とは強く思っているが、曖昧な「いつか」など、来るかどうか分らない予定である。これは断捨離的観点から見ると、断然「捨て」群にあたる。

昨日は古紙回収日であった。

私はビニール紐を持って寝室に行き、雑誌の山から数十冊ムンズと掴んで引っ張り出した。

97冊、床置きである(笑)これが寝室のインテリア化している異常になど、気づきもしなかった。

さらばじゃ、長くて遠い付き合いだったの。1冊手にとってパラパラとページをめくってみる。

・・・綺麗(ウットリ)。

そもそも私は写真集の類が大好きであり、海外の風景などは特に好んでいたのであった。まずいものを見てしまった。

私が手に取ったのはスペインの回で、紀元前から残されている美しい町並みや、彼らの情熱的な生活が写し出されていた。

ヤバい、そういえば以前、「世界遺産」のDVDを本気で買おうと思ったことがあった。

これはまさに、それが1冊の本になったようなものである。しかも遺産に限らず。「地球旅行」だ。

決めた。

これは「保留」などという生易しいものではなく、「保存」だ。

これから私は毎夜、旅に出る。

そして私の元には常に97枚の航空券があるのである。

ダンナのビートルズファンクラブ会誌の処分を勝手に断捨離ターゲットにしていたが、見逃してやるわ(笑)