人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

1Q84・BOOK1 / 村上春樹

遅ればせながら、1Q84。兄のお嫁さんがくれたのだ。ハードカバーのきれいなヤツ。

古本の100円待ちだったので、超嬉しい。

でも、辛口の感想になってしまうのだ、ゴメンナサイ。マリちゃんのせいではない。

殺し屋の青豆と、小説家を目指す塾講師の天吾の話が交互に入る。

1984年。

全く接点のないふたりを結ぶものが、徐々に見えてくるのだ。しかしまだそれはほんの「予感」であり、この先、明らかになっていくことだろう。

今で言うDVから身を守る施設に身を寄せる女たち。

中でもひどいケースには、青豆が加害者を「あっちの世界に送る」。

今度やってきたのは、ほんの10歳の少女だ。

ほとんど口もきけない状態の彼女が口にした言葉は「リトルピープル」。意味は不明である。

一方天吾の前にも、10代の美少女が現れる。

読み書き会話も満足にできない、その少女の書いたつたない小説に登場する「リトルピープル」。

その物語を天吾の手で世に送り出すのだが、やがてそれにインスパイヤされて、天吾もその世界を自分の小説として手がけ始める。

その世界には、ふたつの月が浮かんでいる。

そして青豆はいつの日からか、ふたつの月を目にするようになるのである。青豆の1984年は、もう1984年ではない・・・。

村上春樹は私が一番好きな作家であった。

しかしこの作品は、村上氏の文章の「鼻につく」部分がかなり前面に出ているので、少々不快であった。

とにかく、いらん性描写が多い。

そして村上氏は、どうも女を大きく誤解しているように思えて仕方がない。そこが不快にさせるのである。

これまでも村上氏の作品は、ストイックな男主人公に自由奔放な女性キャラ、という組み合わせが多かった。

それにも「またか」という感じだったし、同姓として「そんなヤツいねーよEE:AE4E5」という憤りを感じるキャラばかりでいただけない。

女はそのようなものではない。それを自信を持って勘違いされているようで、不快なのである。

また、女性の「性」を分かったようにあからさまに語るのも不愉快だ。

男性には踏み込まれたくない部分を、大きく勘違いしてさらけだされたような気分である。

極めてドライに書いているところが、かえっていやらしい感じがする。

話としてはとても面白いのだが、とにかくあまりにシモの話が多いので、少々ウンザリ。

私が過敏なのだろうか。

話はBOOK2に続く。

続きは大いに気になるが。

ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆

「1Q84・BOOK1 / 村上春樹」

新潮社