遅ればせながら、1Q84。兄のお嫁さんがくれたのだ。ハードカバーのきれいなヤツ。
古本の100円待ちだったので、超嬉しい。
でも、辛口の感想になってしまうのだ、ゴメンナサイ。マリちゃんのせいではない。
殺し屋の青豆と、小説家を目指す塾講師の天吾の話が交互に入る。
1984年。
全く接点のないふたりを結ぶものが、徐々に見えてくるのだ。しかしまだそれはほんの「予感」であり、この先、明らかになっていくことだろう。
今で言うDVから身を守る施設に身を寄せる女たち。
中でもひどいケースには、青豆が加害者を「あっちの世界に送る」。
今度やってきたのは、ほんの10歳の少女だ。
ほとんど口もきけない状態の彼女が口にした言葉は「リトルピープル」。意味は不明である。
一方天吾の前にも、10代の美少女が現れる。
読み書き会話も満足にできない、その少女の書いたつたない小説に登場する「リトルピープル」。
その物語を天吾の手で世に送り出すのだが、やがてそれにインスパイヤされて、天吾もその世界を自分の小説として手がけ始める。
その世界には、ふたつの月が浮かんでいる。
そして青豆はいつの日からか、ふたつの月を目にするようになるのである。青豆の1984年は、もう1984年ではない・・・。
村上春樹は私が一番好きな作家であった。
しかしこの作品は、村上氏の文章の「鼻につく」部分がかなり前面に出ているので、少々不快であった。
とにかく、いらん性描写が多い。
そして村上氏は、どうも女を大きく誤解しているように思えて仕方がない。そこが不快にさせるのである。
これまでも村上氏の作品は、ストイックな男主人公に自由奔放な女性キャラ、という組み合わせが多かった。
それにも「またか」という感じだったし、同姓として「そんなヤツいねーよEE:AE4E5」という憤りを感じるキャラばかりでいただけない。
女はそのようなものではない。それを自信を持って勘違いされているようで、不快なのである。
また、女性の「性」を分かったようにあからさまに語るのも不愉快だ。
男性には踏み込まれたくない部分を、大きく勘違いしてさらけだされたような気分である。
極めてドライに書いているところが、かえっていやらしい感じがする。
話としてはとても面白いのだが、とにかくあまりにシモの話が多いので、少々ウンザリ。
私が過敏なのだろうか。
話はBOOK2に続く。
続きは大いに気になるが。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
「1Q84・BOOK1 / 村上春樹」
新潮社