BOOK3に入ると、牛河のストーリーが挿入される。
結局、青豆は死ななかった。
この世界に残る理由があるはずである。そしてそれは、明らかになる。
もう死ぬことはできない。「護る」のだ。そして、天吾に会わなくてはならない。
彼らは出会うために、この1Q84に送られてきたのである。
青豆は身を隠しながら、ひたすらただただ、天吾を待ち続ける。
一方天吾も、青豆が側にいるという事を、不思議な少女「ふかえり」から聞かされる。
彼女がそうだと言ったらそうなのだ。
空に浮かぶ二つの月を見ながら、天吾もこの世界のどこかにいる青豆を待ち続ける。
しかし、「リーダー」を殺害した青豆への追手は、着実に近づいていた。
一歩も外に出ないと約束していた青豆だが、彼女は天吾への繋がりを感じた「それ」を追って、家を飛び出していく・・・。
どーした春樹・・・。
どっしりと大作を読み終わった後だが、この気持ちはいかに。
もしかしたら私には、大切な何かが読み取れていなかったり感じられなかったりしているのかもしれない。その前提での感想になるが、こうなるとずいぶん陳腐なラブストーリーである。
あっちもこっちも中途半端なままで、消化不良も甚だしい。
未消化部分は全て異世界に置き去りにして、ふたりはハッピーエンド。
結局何なんだったんだ?というものがあまりにも多すぎる。
「さきがけ」のリーダー殺害、牛河の追跡などはすごく面白かったのだ、その結果が「小学校時代の恋愛成就」とは。
純粋なラブストーリーだと解釈するより他はなさそうだが、そこに絞るには、感情移入しにくい。
村上春樹は大好きな作家だが、ちょっとぶっとび過ぎちゃったのか、一度落ち着きたまえ、という気持ちである。
とはいっても、ベストセラーだ。絶賛される理由があるはずだ。
一読の価値はあるだろう。
私はあなたの感想が聞きたい。
ぽ子のオススメ度 ★★★☆☆
「1Q84・BOOK3 」 村上春樹
新潮社