人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

マイ・ボニー♪

ラーメン屋の帰りにダンナが突然何の前触れもなくリサイクルショップに車を入れた。

初めて来る店だ。

「いい?」

上の文章から「ラーメン屋」と「リサイクルショップ」の言葉がなければかなりセクシーなシチュエーションだ。

しかし残念ながらラーメン屋帰りのリサイクルショップだ。

もともとフリーマーケットやら中古やら好きなので喜んで入ることにしました。

・・・しかし・・・なんかきったない店だなぁ。

ホコリは積もりっぱなし、物は雑然と置かれ、見づらいことこの上ない。

しかも決して安くはない。・・・強気だ。

ダラダラと見て回ったけど、気持ちが盛り上がらない。

「もういいか。」

何も買わずに店を出ようとしたその時、

出口のショーケースのレコードが目に付いた。

ビートルズのシングルだ。

ダンナは熱狂的なビートルズのファンなのだった。

いまだにファンクラブに入っていて

2ヶ月に1度の会報が読まずにたまってきてムチャクチャかさばっている。

この間数えてきたら1年ちょいは読まずにたまっていた。

読んだ分も全部保管しているのでかなりな量だ。

解散してメンバーの半分が死んでいるバンドに一体ネタはあるんだろうか。

まぁとにかくそんな訳なので、一応教えてあげた。

「ねぇ、ビートルズのレコードがあるよ。」

ええっ!?とばかりに近づいてみると

「マイ・ボニー/ザ・セインツ」300円なり。

私はあまり詳しくはないけど、確か公式アルバムには入ってないはずだ。

「レアかもよ?安いよ?きっとお店の人には価値がわからないんだよっ。」

何かすごいもの見つけた気分だ。

「う~~~~~ん・・・。」

あれ?欲しくないのかな?

「汚いなぁ・・・。」

確かに汚い。袋には入ってないし、何か色々書き込んである。

レコード自体も相当汚い。

「でもレコードはレアかもよ?300円だよ、300円。安いじゃん、いいじゃん。」

別に私は欲しくないんだけど、何か逆転してるな。

「う~~~ん・・・。確かに相当古そうだけど・・・レアかはわかんないよ。」

もーー!!それでも300円なんだからいいじゃんっ!

「あとで欲しくてももう手に入らないかもよ!!」

「う~~~ん・・・。」

しばらく考えている。

「こーの写真!!ヒッヒッヒ・・・!」

何がおかしい?もう、買いなってば!

「夢があっていいじゃん、買いなよー!!」

こうなるとゴネてるのは私の方だ。

「そうー?ンフフ、じゃあ買うか。」

で買って帰ってきました。

よく見ると歌詞カードに読み仮名がふってある。

なんだ、ボニーとライズとオーバーとオーシャンとブリングとバックが読めないって

そりゃ歌詞のほとんどが読めてないじゃん!

ドイツ語はお手上げとみた。

ジャケットの表にはなぜか「ダッコ」と書いてある。

アハハ・・・。

きれいなレコードよりこっちの方がおもしろいよ!

いい買い物したじゃんっ!