「う~ん・・・。」
とある祝日明けの火曜日のことだ。
例によって二日酔いだ。布団から出られない。
前夜は久しぶりに友人夫妻と外で飲んだのだった。あぁ、一体最後はどうなったんだっけ?
ジャズライブに行った、地元で飲んだ、それから・・・、記憶がない。
こういう時は、スマホの写真を見る。どうせ調子に乗って、しょうもない写真を撮りまくっているはずだ。
「!?」
グズ。
もとい、愚☆図。わが町のブルースブラザーズ、ちょい悪系ミュージシャンのお二人だ。なぜか3人で写っている。
黒いスーツでビシッとキメた二人に挟まれて、アホヅラで両手ピースしている私。
「ああ・・・。」
ドロドロの記憶が思い出されてくる。カラオケに行ったんだ。
えーとえーと、コンビニで買い出しして、・・・。
思い出せたことは、いくらもなかった。カラオケに行った事実と、そこで愚☆図さんに会った事実。そんな程度であった。
やっと観念して体を起こし、リビングに下りていくと、「休み明けのリビング」になっていた。
出掛けた時の荷物はそのまま、食べたものそのまま、流しもそのまま。休み明けはこの片付けからである。
まずは自分のバッグから。さっきの写真同様、こういう時は意外なものが出て来ることがあり、ちょっと面白いものだ。中を探る。
・・・グズ。もとい、愚☆図。愚☆図さんの缶バッチが出てきた(笑)
くれたのかな!?くれたんだよね!?ねだったり奪ったりしてないよね!?
これは嬉しい。赤いバッグに黒い缶バッチをつける。へへ、愚☆図。
そんな休日だったんだね。
それから数日が経ち、私はまた、かの夫妻と飲んだのだ。
夕食時に突然家に押し掛け、週の真ん中だというのに飲んだ。
そしてあの休日の答え合わせをする。
「カラオケ行ったよね!?」
「そうそう、愚☆図さんの写真見てビックリしたよ(笑)」ご夫妻の記憶も、私と同程度の模様。
「オレ、ブルドッグ行ったのは覚えてたけど、カラオケ屋行ったの、全然記憶ない(笑)」
「え?ブルドッグ??」
我らが久米川の駅前には、数軒のカラオケ屋さんがある。愚☆図さんと写真を撮ったのは、「カラオケ屋」というお店であった。
「ブルドッグなんて行ったっけ!?」
「そうそう、そうなのよ、私もそれ知らない(笑)」
「いや、オレ、カラオケ屋の記憶がない(笑)」
カラオケのハシゴしたのか。ってかみんなのこの忘れっぷり。全員アルコール依存症確定である。レッツ・ソバーキュリアス☆図。
そういえば、テーブルの上にブルドッグの会員証があった。ダンナのだと思っていたんだが、ダンナは自分のを持っていたのだ。私は作っていなかったはずなので、おかしいおかしいと言っていたのだった。こんなに酔って、よー会員証なんて作れたな。
で、この日はバスがあったのに、タクシーで帰ってきたことは覚えている。記憶は飛び飛びのまだらボケだ。家に帰ってからの記憶は皆無。
そして朝になり、朦朧とした頭でスマホの画像データを開くのである。
愚☆図さんだけが、まともであった。
しかしできれば、あの晩のことは忘れて欲しい。