バーベキューで満足いくまで食べられなかった反動で、翌日は躊躇なく家で肉祭りをする運びとなった。
クドいが、塩こしょうをした豚バラにみじん切りのタマネギは絶品である。
肉から出た油で野菜を焼くつもりが、とうとう野菜はひとつも焼かずに肉だけで終わってしまったのだ(笑)これはこれで心残りだ。次はフライパンふたつで同時に焼いていく。「次」は今日でもいいぞ。
ダンナは翌日仕事だったため、できるだけ早く飲み始めて早く終わることをご希望であった。
なので昼過ぎには飲み始めたのだが、ひとつ気がかりなことがあった。犬の散歩である。
酔うと色々ヤバいので、飲む予定がある日は娘達に頼んでいたのだ。
しかし前日にもお願いしたばかり、そしてあまりにも急だ。そのうえ理由が酒とあっちゃ、バツが悪い。
「飲み過ぎる前か、一度寝てから」ということにしたが、「飲み過ぎない」か「一度寝たら必ず起きて散歩」という足かせが重い。
一度寝たら起きる自信はないので、「飲み過ぎない」というか、早めの散歩にすることにした。「飲み過ぎる前」。
ところが私は、飲んだら止まらないのである。飲むほどに変な自信が湧き、散歩など大したことではないという気持ちになってくる。
夕方にはダンナは酔い潰れてしまったので、さらに一人で深酒になる前にとっとと済ませてしまうことにした。
酔っている自覚はある。いつもより慎重に、特にリードの装着には気を付けた。
・・・つもりであった。
ところが玄関を出たらリードが繋がっていないことに気が付いたのである。一体私は何に気を付けたのだ!?
幸いミッツも違和感がなかったようでそばを離れなかったが、もうホント、飲んで散歩はいけません!!
しかし酔った散歩は、気持ち良くもあった。
酔っ払って他人に話しかけないようにと、それも気を付けたが、逆に向こうから話しかけてきたのだ。こうなったら私も止まりませんて。
犬好きの初老のご婦人で、ミッツに「いい目をしている」と声をかけてくれたのだ。
「犬は初めてで、なかなか上手くいかなくて」などとつい気が緩んで怒涛のように思いを吐露してしまう。
ああ、恥ずかしい・・・。
暴挙はこれだけではない。
家に帰ってから、残っていた鶏の骨付き肉をあげてしまった。
味付けをしてなかったので食べられるか、と深いことは考えていなかったのである。
猫の場合、肉の部分に噛みついてはがすようにして食べるか、ザラザラの舌で舐めとって食べるのが普通だ。
しかしミッツめ、ガブリと骨ごと噛みついて放さないのである。
力も猫とは桁違いだ。
私はちょっと怖くなった。これを無理に取り上げたら怒るだろうか。我を忘れて襲い掛ってきたら、ミッツの方が強いぞ。かと言って、これを骨ごとあげるのはよろしくない。
しばらくお互いに肉を放せずに、にらみ合っていた。
結局私が勝ち取ったのは、上下関係が上手くいっている証と思っていいのだろうか。
肉はこっちでむしってやった。
次の暴挙は、室内散歩である。
猫は2匹とも同じ部屋にいたが、「なまじっか離しているから慣れないのだ」と近づけて匂いを嗅がせたりしてしまった。
この頃のミッツはヤキモチなのか、猫に対する威嚇が酷くなってきた所であった。
何事もなくて本当に良かった。
何事もなくて、本当に良かった。
幸いどの地雷も爆発せずに飲んだが、これは警告だろう。神様はチャンスをくれたのだ。
今後、場所の分かっている地雷なんかを踏まぬよう。
次の飲みは明日の予定だ。