魔法の毛生え薬。
そんなものは存在しない代わりに、眉唾モノのアイテムや方法は数多く存在する。
私の頭髪も年々寂しくなってきており、そんなアイテムや方法をダメもとで試すこともある。
ま、たいがいダメだ(笑)
というか、ダメでなかったためしがない。
リアップに効果あるらしいことが分かったが、血圧が下がるというので諦めた。これ以上下がったら、毛が生えても生きていけない。
次に知ったのは、「湯シャン」である。
シャンプーを使わないで洗う、湯でシャンプー??なんだ??この言葉、間違ってないか??
まぁとにかく、お湯だけで洗うというのだ。
巷の安いシャンプーは洗浄力にばかり特化していて、頭皮に大きなダメージがあるという。
そもそも最近の人間は、特に日本人は、洗いすぎの傾向があるらしい。
頭の汚れはの8割は、お湯で落ちるとか。
そして程よい皮脂が髪に行き渡り、最終的にはサラサラのきれいな髪になるという。
もちろん頭皮へのダメージはなし、それどころか髪が生えてくるという話だ。
調べてみると、成功例が非常に多い。少なくとも嘘ではなく、成功する人がいるのは確かなのだろう。
これなら手軽だ。というか手抜きと言ってもいい(笑)
シャンプー代がほとんどかからないとして、高くて頭皮にいいやつを買ってもらい、それを時々使わせてもらおうじゃないか。
しかしネックがある。
そもそも途中で挫折する人も少なくない。
それは、「臭い」である。
ちゃんとできていれば臭わないというが、どうも体質もありそうだ。
まぁやってみよう。
臭わなければシャンプー代も手間も省けて毛が生えるのだ。夢のような話じゃないか。
調べた通り、まずは洗髪前に(洗髪と呼んでいいのか)ブラシで良くとかして汚れを落とし、頭皮をマッサージしながらしっかりお湯で洗う。
以上だ。
マッサージというのがイマイチ良く分からなかったので、シャンプー用の粗くて柔らかいブラシをギュウギュウ押し当ててみた。こすると抜けそうで怖いのだ(笑)マッサージ=押す、と解釈する。
時間をかけて洗い流し、いつものように髪をまとめてタオルで巻く。
ウッ。ゴワゴワだ。嫌な感じ。
それでも乾かすと、一応普通の髪にはなった。良くもないがそんなに悪くもない。
話によると、効果が現れるまでにはそれなりの時間がかかるとのことだ。体質改善に近い。
今はまだ手探りだが、だんだん自分なりに分かってくるだろう。
辛抱だ。
二日目になると、何となく頭がムズムズするような気がしてきた。
気にしているからかもしれないという程度なので、気にしないようにした。
洗い上がりはやはりゴワゴワ。乾けば普通に戻る。
三日目。旅行に出た。
その異変には、宿に向かう車中で気がついた。
どうも、
臭い気がする。
プンプン臭う訳ではないが、時々モワッと漂ってくる感じだ。
得も言われぬ臭いだ。
クラスにひとりふたりいた不潔ちゃんとも違う、ゴミのような臭い。まさかだよなEE:AE5B1
「ちょっと嗅いでみてくれる?」
ダンナには湯シャンのことを話してあったので、確かめてもらう。
頭のてっぺんをダンナに向けると、「ん・・、あっEE:AEB30」と言って顔を背けた。
「臭い!?臭うの!?」
「い、いや、その、うん、まぁちょっと臭うかも」
ダンナがここまで言うということは、相当臭うはずだ。
途端に頭がかゆくなってくる。
「今日シャンプーして~~、温泉でちゃんと洗って~~~EE:AE5B1」ダンナは泣くような声で哀願した。
それでもまだ私は踏ん切りがつかなかった。
一応シャンプーは使ったが、まるで毛抜け薬を頭に塗りつけているようで、頭皮につかないようにして使ったのだ。
しばらくこれでいこう。
その二日後。
また私はダンナに定期検査をしてもらった。
「ちょっと嗅いで。」と頭を向けると、すっかりちゃんと洗っていると思っているダンナはクンクンと寄ってきた。
すると、
「うわっ!!」と言って退いた。
この間より大きなリアクションだ。
「毛先をシャンプーしてるよEE:AEACD」と言うと、「ダメーEE:AE5B1ダメーEE:AE5B1もうホントちゃんと洗ってお願いEE:AEB30頭皮を、毛穴をEE:AEB30」
「でもシャンプーが髪に良くないって、ハゲ・・・、」「買っていいEE:AEB30高いのEE:AEB30ちゃんとしたのEE:AEB30買いなさいEE:AEB30」
「でも今あるのが、」
「俺が使う俺が使う」
・・・何だか分からないが、高いシャンプーを買ってもいいみたいだ。
あまりにもダンナのリアクションが酷かったので、昨日からは頭皮にもシャンプーが行き渡るようにした。
それでも怖いので、実は全然こすっていない。
これナイショ。
シャンプー、何買おうかなEE:AE478