人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

見つかる訳にはいかないので、ゲタバコに入れたのだ。

おつかいを頼まれていたのだ。

こんな言い方では魚かタバコでも頼まれたみたいだが、法事の引き出物である。

ダンナ方の法事なので、ダンナに任せっぱなしであった。

考えてみれば法事は今週末である。ギョギョッ、つくづく私は何もしてなかったなぁ。

それにしても、3日前に引き出物の準備とは。

 

所沢のデパートまで行かなくてはならない。

できれば車の運転をしたくないが、バスと電車を乗り継いでいくよりも車の方が近いしラクだ。

あーもう、苦手なんだよなぁ、車の運転。

家から西武の駐車場までのコースを、頭の中でシミュレートする。

右折時にできるだけ信号機があるように、できるだけ広い道に、しかし車線変更の必要がないように。

 

西武には建物の地下に駐車場があるが、そこではなく、外の広い方に止める。

大型のワンポックスとベンツの間に停めるような事態になったら、地獄だ。

デパートの建物まではちょっと遠くなるが、確実に空きがある方を選ぶ。

 

ところが何だ?今日は混んでいた。

平日の真昼である。漫才師でも来てるのか??

余裕を持って空いている場所に入れたかったので、奥の方になってしまった。しかし車止めがない。

後ろに車が停まっていたらぶつけそうで怖いので、壁側に停める。

振り向いて、ゆっくりバック、壁が近づいてくる、もうちょいいける、ボムン!

ボムンといって、車は勝手に停まった。

運転席からは見えなかったが、壁の前にガードレールがあったのだ。そこに背面のスペアタイヤが当たってボムンと停まったのである。

このタイヤに何度助けられたことか。

もはや「スペアタイヤ」ではなく、「背面保護タイヤ」である。

 

 

引き出物は、カタログギフトと決めていた。

前回と同じなので、前回と同じ場所を目指してエスカレーターで上っていく。

ところが間違えて1つ上の階で下りてしまい、催事場を通って下りのエスカレーターに乗る羽目になってしまったのだ。

そしてそこで、駐車場が混んでいた訳を知ったのである。

 

催事場はバレンタインのチョコレートコーナーになっていて、大賑わいであった。

ケッ、どいつもこいつも乗せられやがって。

バレンタインが悪いとは思わないが、なぜチョコなのだ。ついでに言うとそのお返しがキャンディーというのも気に入らない。

男も女も本当に喜んでるのか??(例外的にスーさんが喜んでいるのは見たが。本当である。彼はペガサスのメンバーからゴディバのチョコをせしめていた。)

私なら、キャンディよりも肉の方がいい。

そしてダンナもチョコレートよりも肉がいいと言うはずだ。

日本中の男女にアンケートを取ったら、圧倒的にそうなるだろう。

きっとチョコレートもキャンディも、こうでもしないと売れないのである。飴なめながら言うのもなんだが。

しかしこれはのど飴だ。

だからと言って、ホワイトデーにのど飴ならいいと言う訳ではない。

飴もチョコも、欲しい人が欲しい時に買えばいいのである。

やはりバレンタイン、ホワイトデーは肉であって欲しい。

 

下りのエスカレーター乗るためには、催事場を通らなくてはならなかった。

本当に、すごい人の数である。

これだけの人が、明日チョコレートを一斉に配るのである。

これは、貰わないと不憫なのか?

並んでいるチョコレートをチラリと見る。

綺麗なもの、可愛いもの、洒落たもの、実に色々揃ってまるで博物館のようである。

 

ペンギンのとクマのと迷ったが、クマの買っちゃったよ!

ちゃっかり自分も食べられるように、ミルフィーユになってるやつ!

そりゃあチョコより肉の方がいいが、ただのチョコの塊を食べなきゃならないならミルフィーユになってる方がいい。

ダンナもそうに決まっている。

 

安くて小さなチョコレートを少し。

もちろん明日のメインは肉である。

 

ダンナもその方がいいに決まっている。