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もう20年も昔のことだ。私たちはスキーにハマッてしまった。
若いうちに結婚・出産、経済的には厳しい状況だったが、ハマッてしまったのである、何としてでも行きたい。
最初の車は中古の軽自動車、これに金属チェーンを巻き、高速を使わず車内泊という弾丸スキーを、毎週末のように決行していた。
やがて車は軽のRV車に、タイヤは非金属チェーンへと変わる。
しかしまだまだ財布に余裕はない。
一般道を走る週末であった。
そしてやっと大型RVにスタッドレスという理想的な足となったが、だからといって金持ちになった訳ではない。私達は高速を避けて、ひたすら一般道を走り続けていた。
高速を使うようになったのは、もうシーズンに何度も行かないようになってからである。
ここまで長い道のりだったが、私は苦ではなかった。むしろ、楽しんでいた。
金曜日の夜に、寒い中、荷物を積み込む。
清瀬、新座、と進み、やがて国道17号に出る。
長い長い17号だ。気温がどんどん下がっていくのが、車の中でも分かる。
セーブ・オン。軍手の行田。「週に1回は焼き肉を食べよう」の看板。
ある時は三国峠で深夜の大渋滞、ある時は炎を吹き上げる事故車両の横を通り過ぎる。初めてのABS作動。
色んなことがあった。
片道5時間6時間も、音楽を聴きながら外の変化を楽しみ、会話を楽しんでいた。
懐かしい思い出である。
実は懐かしさから、またあの道を辿りたいと思うことが多くなったのだ。
しかし運転するのはダンナだ。ダンナに長時間の運転を強いることになる。自分からは言えない。
私は横に座っているだけで、スキー場に着いてしまうのだ。
景色も音楽も楽しむ。思い出も美しい。
しかし果たしてダンナはどうだったのか。
「俺、またあの軌跡を辿りたい・・・。」
飲みながら、懐かしいスキー三昧の日々を語っていたら、ダンナの方からそう言い出したのである。
こうなったら、早い。
準備は私がする。日にちの設定だけしてくれればいい、行こう!
それが今夜である。
ところで大きな問題がひとつあった。雪用タイヤがない。
スキーに行かなくなったので、ノーマルタイヤの買い替えをしないでまずこのスタッドレスをノーマル代わりに履かせてしまった。
今履いてるのがそうなのか?それすら分からないが、もう雪道は無理なのは確かだ。
スタッドレスのレンタルなど色々調べてみたが、今後のことも考えて、結局チェーンを買った。
行き先は、一番良く行った丸沼だ。
小さいスキー場だが、沼田ICからは一番奥にあり(その道のりも楽しみであった)、雪質が抜群にいい。
とは言っても今回は、滑らない(笑)
もう板は処分してしまったし、気力もない。楽しみたいのはドライブである。
さぁ、準備をしなくては。
あのころ良く聴いたカセットテープとたくさんの毛布、筋子のおにぎりを握れるったけ握ってやる。
積雪は240cm。
雪合戦しに一般道で丸沼に行くぞEE:AEB30