自業自得だ。
激しい二日酔いで、起きれなかった。
しかし九州の義父が近づいているのだ。
パリッと起きて、迎えなくてはならない。
しかし、「これからギター(教室)に行くけど、もうすぐオヤジが着くからよろしく」と宣告され、観念して起きたのである。
部屋はダンナが片付けておいてくれたので助かったが、感謝する気持ちも湧いてこないほどの二日酔いだ。
MAXが5だったら、4強程度の二日酔い。
「気持ち悪い」以外の感情はないのである。
そんなところに「ようこそEE:AEB30」を炸裂させなくてはならない相手が来るのだ。
MAXが5なら、4強程度のお客様である。
辛うじて笑顔は作ったが、二日酔いを隠す力は残らなかった。
言葉を発するのも辛く、失礼を覚悟でダンナが帰ってきたらそっちに丸投げして、私はただボーッと遠くを見ていた。
昼飯がうなぎだったのは、ダンナの仕返しかもしれない。
二日酔いにうな丼攻撃。
義父が帰ると、バンドのスタジオ練習である。
ライブ当日だ、最後の練習になるが、とうとう今回も、前日に曲を譜面に起こしただけで練習はしなかった。
もはや、スタジオ練習が個人練習である。
しかし、スタジオについてキーボードの前に座ると、全く一度も練習してない曲の譜面が乗っていた。
一応音源はあったが、やる予定がなかったので全然手をつけてなかったのである。
そもそも何をやるのか、当日になっても決まっていなかったのだ。
それにしてもこれは「読みが外れた」というレベルではない、予測不能の事態であった。
それでもすげーぞ、いっちゅーバンドEE:AE4F9
当日のやっつけにしては、なかなかの完成度だと思う。
だから私は練習しなくなるのである。
何とかなるじゃないか(笑)
休憩になると、いつものようにみんな飲み始めた。
私達も「どうぞ」とビールを勧められたが、ダンナは車の運転があるし、私は二日酔いでゲロゲロだ。
これでもだいぶ良くはなってはいたが、飲めるまでにはまだまだ時間が必要であった。
「フンフンフンEE:AE5BE」
スーさんはご機嫌そうに鼻歌を歌いながら、大きなグラスに誰のものともわからない置きっ放しのウィスキーを注いで飲んでいた。
変わったスタジオで2階にはキッチンとダイニングがあり、誰かが置いていった酒が常に置いてある。
テーブルにはつまみやお菓子が置いてある事もあるが、大概古くなっている。
手付かずのフランスパンが長い事置いてあり、来るたびに笑ったものだ。
そういうものをスーさんは平気で食べる事がある。
さすがにフランスパンは食べなかったが、アレを初めて見たときには「こんなものもあるよ」と勧めてきたりした。
昨日も、得体の知れないウィスキーを手に座るなり、テーブルに置いてあったシワシワのみかんをまず手にしたので笑えた。
やがて「ガソリンが手に入らない」という話から、みんなで若い頃犯した悪事を暴露し始め、そのスケールのでかさとバカバカしさ加減にムチャクチャ笑った。
その無邪気さが今も変わっておらず、ますますこの「少年オヤジ」達が好きになるぽ子夫婦であった。
練習が終わるとリハーサルのためにPに向かう事になったが、私達は車だったので一度家に戻らなくてはならなかった。
少年達と別れたが、「ラーメンとか食ってんじゃねぇよ~!」とタケダさん。
しかし私は久米川で降ろしてもらい、ちゃっかりひとりでラーメン食べて行きました。
後で聞いたら、タケダさんもラーメン食べたらしいじゃないですか(笑)
腹は満たされたが、まだ酒を飲めるような気分ではなかった。
しかし本番が近づいているのである。
リハでは緊張でガチガチであった。
何としても酔いを回さなくてはならない。
スタートは7時であった。