僕の心の奥に小さなスイッチがあって
君に初めて出会ったとき何かが動き始めた そんな気がした
懐かしきサムエルの「あいのうた」の一部だ。
ところで、私のお尻にも小さなスイッチがあって、ソファに座ると眠くなるようにできているらしいのだ。
寝不足だ。
ソファで寝てしまった時間は昨日ほどではないが、起きたところで眠気が覚める訳でもなく、ダラダラと動いていた。
こう言うのは「スローライフ」とは言わないのか?
労働量は昨日より少なそうである。
雨だ。
しかし郵便局に行って、送金しなくてはならない。
カッパを着て帽子を被る。
上司アンガのアドバイスで、この帽子の上からカッパのフードをかぶし、さらにフードの紐を締めると風で飛ぶ事はないと知った。
確かにその通りだったが、あまりにも帽子がしっかり固定され、どんどん深く被らされていく。
前はどんどん見えなくなる。
こまめに手で帽子を上げるが、摩擦で眉毛が消えてしまいそうだ。
郵便局に着くと、ATMにはすでに一人いた。
私はその後ろに並んだが、良く見ると通帳を5冊機械の上に置き、片手に振込用紙も2枚持っている。
嫌な予感はしたが、このおばちゃんは何度も何度も何度もひとりで繰り返して占領しているのだ。
1つ終わるごとに後ろに並べとは言わないが、長すぎだ。
最後にはうまくコトが運ばなかったようで、振込用紙を持って受付に消えていった。
無言である。
昨日寝る前に読んだ雑誌に、中島啓江の「つらい、悲しいと考える時間がもったいない」という言葉が載っていたが、これを応用し、
「イライラしたり腹を立てたりする時間がもったいない」と言い聞かせて辛抱していた。
しかしぽ子は器の小さな人間である。
「時間をかえせ!!」と、二度寝しておきながら、心の中で叫ぶのであった。
「このようにやるのよ。」と言わんばかりにサッサと送金を済ませ、家に戻る。
メールと調べものでタイムアップだ。
晩ご飯の下ごしらえに着手したが、欲張って作り過ぎ、間に合わなかった。
全て中途半端にして出勤したが、仕事が終わったらあの続きをやるのかと思うと、ちょっとウンザリだ。
ところで、ガラス戸に映ったカッパ姿の私はドラえもんそのものであった。
しかしドラえもんに見えるなら、誰もぽ子だとは思わないだろう。
恥ずかしくなんかないぞ。
明日も雨の予報である。