人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

エル、甲状腺機能亢進症<1>

タイトルの通りだ。

尻が爆発して病院に連れて行った時に、体重がかなり減っていて心配と言われ検査をしたのである。

もう老齢のエルを、検査通院地獄にはしたくなかった。苦痛がない限り自然に任せるつもりだったのだが、呆気なく自然の流れでこうなってしまった。明らかな異常を指摘されながら検査を拒絶するのもおかしいようで。

 

その結果、甲状腺機能亢進症と診断された。

手元に検査結果がないので具体的な数値は書けないが(のちに郵送で届くそうだ)、T4がかなり高値になっているとのこと。

甲状腺機能亢進症とは、心臓がフルスロットルで活動し続けている状態で、そのせいで全ての臓器が疲労していくとのこと。すでに腎臓の数値も悪くなっていた。

薬でT4を下げていくことになるらしいが、もし腎臓の高値の原因が甲状腺機能亢進症でなくそもそもの腎臓病だった場合、心臓フルスロットルの恩恵を受けられなくなった腎臓病は悪化するとのことである。

なんとも悩ましい状態だが、そうなると定期的に検査をしながら、腎臓と甲状腺のバランスのいいところをとっていくことになるらしい。

 

異常なバカ食いは、この病気が原因であった。心臓が頑張り過ぎているぶん、エネルギーを要求するのである。

実はバカ食いがあまりにも異常だったので、私もネットで調べて甲状腺機能亢進症の疑いは感じなくもなかったが、他に当てはまる症状がなかったこと、同じ症状だったミュウが甲状腺機能亢進症ではなかったこと、できるだけ自然の運命に任せたかったことなどで、積極的に検査をしなかったのである。

しかしこのように検査結果をつきつけられ病気についての説明を受けると、早く診てもらわなかったことを後悔した。

 

エル18歳。もう残りの時間はそう長くはないだろう。

その時間を、少しでも幸せに、逆を言えば、少しでも苦痛のないものにしたいと思っていた。

彼女には病気や治療などという概念はない。検査も通院も、不可解で苦痛でしかないのである。たとえ余命が短くなっても、幸せな時間が多くあるように、そう願っていた。

 

図らずも、治療の運びになってしまった。

エルには申し訳ないが、寿命が延びてくれるなら、私にはプレゼントになる。

限界の見極めは、できるつもりだ。

神様を、信じる。流れに乗ろうと思う。