人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子56歳。

自分教

秋。

あのうだるような重い暑さが少しずつ薄れ、爽やかな風が流れる季節。

空は高く、少しばかり優しくなった太陽が心地良い陽を注ぐ。

春と並んで、好きな季節だ。しかし、夏と冬もこの季節を堪能するためには必要な季節である。

この不条理な世界で、自然の営みだけは変わることなく平等にある。

世の中は、不公平だ。

努力は必ずしも実る訳ではないし、正しく生きることが報われるとも限らない。

悪事を働いてのうのうと生きる輩に天罰なんて下らない、裁くのは法であって、逃げおおせればそれまでの話だ。そして、結局法の裁きなど単なるこの世の行事である。日にちが勝手に消化していくだろう。

どうして、と憤ることに溢れている。

悲しみの、憤りの、怒りのどん底にあっても、太陽は変わらず降り注ぐ。それすら無情だ。

しかし何があっても変わらないのも太陽だ。この不条理の世の中で決して揺るがない自然の営みに、唯一の公平を見る。

これからも、容赦なく不条理の波は押し寄せてくるだろう。

「どうして」、その問いに、答えはない。

答えがないなら、まだ嘆くのは早いかもしれない。

自分の宗教、信念、そんなものを胸に、永遠の時間を手に入れる。

きっと終わらない、そう私は信じたい。