人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

快楽に流される

ついに原因が明らかになったのだ。

ダンナは帰宅すると食事の前にエクササイズをするようになったので、私も一緒にやるようにしたのだ。負けてなるか。

運動は食前の方がダイエット的には効果があるというが、その晩はダンナの帰りが遅かったので、私は先に食事を済ませていた。

ダンベルを持ち、腕を上下左右に。

スクワット。

腹筋。

筋トレのようだが、ビリーズブートキャンプを分解したもので、どちらかというと有酸素運動である。

軽く息が上がる動きを、ちょっと苦しくなるまで続ける。

最初の違和感は、頭からであった。

汗をかいたからだろう、そう思って気にしていなかったのだが、やがて腕や足にもその波が及んできた。

痒い。

一度認知してしまうと、それはより強く感じられてくる。

ひとたび掻き始めると、とうとうかゆみは体中に広がっていった。

蕁麻疹だ。

まるで豹の模様のように、全身を覆う凹凸の模様。

アレルギー反応である。さっき食べたのは、ラーメン。

これまでに何度もあったことだ。アレルゲンは小麦と踏んでいたのだが、検査では検知されなかった。

となると、検査の項目にないものでラーメンに含まれるものが原因になるのだろう。こうなるともうお手上げだ。

まぁ死にはしない、痒いぐらいならラーメン食べるしね、と開き直っていたが、まさかこんな市販の袋麺でここまで酷い症状が出るとは。

運動は中止だ。

運動。

運動?

食物依存性運動誘発アレルギー。

アレルゲンを摂取しただけではアレルギー反応は出ないのに、摂取後に運動することによって発生するアレルギーだ。

ラーメン食べた後に運動することなどなかったのでこれは違うと思っていたのだが、その運動量には個人差があり、人によっては散歩程度でも発症することがあるらしい。またあまり知られていないが、鎮痛剤でも誘発されることがあるとのことだ。確かに二日酔いの頭痛でしょっちゅう飲んでいた(笑)

またこのタイプは、抗体検査で数値が現れないのが特徴だ。

だから検査をした病院でも「食後に運動したりしてませんか」と何度も聞かれたのだが、食後の運動なんて、これが初めてである。

しかしこれによって、ハッキリした。

今運動によって、アレルギー反応が誘発されたのである。

まぁだから何だという話だが、長年の謎が解けたのだ。スッキリした。

私はこれからも、変わらずラーメンでもうどんでも食べるだろう。

症状が出た時には、慰め程度にアレグラを飲んでいる。

ヤバいと思ったのはアレグラを飲まなかった一度だけである。リスクは低いだろう。

罪な小麦め。

アレルギーは出る、太る、体調は悪くなる。

それでもやめられないのだ。

「美味しい」という快楽への誘い。

まるで麻薬だ。