困ったものが、冷蔵庫に入っている・・・・・・。
父のところに集まると、帰る時に父は色々持たせてくれるのだ。
用意した手土産、食べ切れなかったもの。
手土産は、チーズやパン、スイーツが多い。
前回もたくさんもらって帰って来たが、翌日我に返ってその「重さ」を知った。
これ・・・、どうするん・・・EE:AEB64
食べたことはある。
子供の頃だ。先入観なしに、普通に食べた。
ただ、日常的に食べていた訳ではない。せいぜい、一度か二度だ。
珍しかったので覚えている。
そして先日父の家で集まった時にも出されたが、誰も食べなかった。
私もギョッとなったが、誰も食べないので父が気の毒だったのと、酔った勢いで食べたのだ。
シャクッという歯ごたえ。
まさに、それだ。
「これ、ちょっと味付けが甘かったんで、オレ、ダメなんだよ。」と言って父は、それを全部私によこしたのだ。
酔ったとはいえ、食べられたのだ。不可能ではない。何ならまた酔った時に食べればいい。
そう考えて、貰って帰ってきてしまった。
協力者、ゼロ。
そしてそれはまだ、ほとんど手つかずで冷蔵庫に入っている。
佃煮だ。日持ちはする。
それでもいい加減にそろそろ食べないと、全部捨てることになってしまう。
食べ物を捨てるのは、辛い作業である。
それが生前の形をそのまま残しているなら、なおさらである。その量が多ければ、なおさらなおさらである・・・。
先日ふと思い出して、ひとりで飲んでいた時に食べてみた。
味は、問題ない。普通の佃煮だ。確かに甘めだが、正体を知らなければ、普通に美味しい。
しかしその「正体」が、いかんのだ。それだけで、こんな拒絶反応が出てしまうのである。
イナゴの佃煮。
エビだと思い込んで、できるだけ多くを口に入れた。こんな勇気は、そうそう訪れるものではない。
あと何回酔えば、全てのイナゴを成仏させられるのか。
協力者、求む。