受付の男性は、せわしなくパソコンのマウスを動かしながら頭をひねっている。
やがて「電話で予約されたんですよね?」と私に言った。予約が入っていないのか?
電話をしたのは確か先週末で、週明けにすぐ病院に行きたいと思って水曜日に入れたのだ。
なぜ「週明け」が「水曜日」なのかというと、月曜日は祝日、火曜日は休み明けで二日酔いの可能性が高かったからである。
「確か、先週の金曜日に電話をしたと思います。」間違いない。さすがにこんなに最近のことを忘れたりはしない。
う~ん、と言って再びパソコンに向き直り、「担当はA先生ですか?」と私に問う。
「いえ、B先生です。」私が返す。
受付の男性はますます頭をひねり、「B先生・・・、B先生は火曜日にはいないんですが・・・。」とパソコンの画面を見たまま呟いた。
・・・・・・・・・火曜日?
嫌な予感。
恐らく嫌な予感は的中するだろう。私はどうしたらいい?
咄嗟に「自分が一番恥ずかしくない方法」を考えようとしたが、ライブと同じだ、時は止まらない。修正しようと考えている間にも、状況は悪くなっていくのだ。
時が進めば進むほど、結果的に自分がもっと恥ずかしい思いをする結果になるだろう。
えーい、現在が恥の最小限だEE:AE5B1
「あのー、今日は火曜日でしたっけ?」
私には恥のひと言になったが、彼には救いのひと言になったことだろう。
「連休が入ったりすると、こういうこともありますよねEE:AE471」と言ってくれた。
一体なんで、火曜日が飛んだのか。
二日酔いが前提だった火曜日だったが、月曜日に飲まなかったので二日酔いしなかったのである。
こんなにフレッシュな休日明けなどなかなかないので、二日酔い明けの水曜日かと思ってしまった。
朝のゴミ出しの時点では、ちゃんと火曜日と認識していたはずだ。
一体どうなっとるんじゃい。
狐につままれたような気持である。