8分後のバス。
準備、オッケー。今出れば、ちょうどいい。今日こそ走らずにバス停まで行くぞ。
上着を着る。
マフラーを巻いて、バッグを持つ。火の元を確認したら、鍵を持って玄関へ。
ブーツを履く。
腰を下ろして、ブーツを足に引っ掛けて引っ張る。
ウーーーーーーンッ。
横着してファスナーを途中までしか下げなかったので、なかなか履けない。
フンンーーーーッ。
いかんいかん、こういうロスが、バス停ダッシュに繋がるのだ。潔くファスナーを下げてから履く。
よしっ、では行ってきまぁすEE:AEB85バッグを持って立ち上がり、鍵を、・・・鍵を・・・。
ないEE:AEB64
またこれEE:AE5B1
出掛けに「鍵がない」という事態は、しょっちゅう起こる。その確率、5回に1回ぐらいか。
特にこのように、「おでかけ」という時に多い。
それにしても、今か。今日こそ走らずに行けそうだったのに。まぁ言い換えれば、その分、探す猶予がある。
ブーツの脱着がロスになるので、片足だけ脱いでピョンピョン跳ねながらリビングに戻る。
テーブルの上。あれ?ない。いつも鍵を掛けているところ。ない。
まぁこんな事もしょっちゅうだ。まだまだ探せる。
ピョンピョン飛んで、玄関に戻る。確かここまでは持ってきたような気がするのだが。でも、どこに置いたのかまるで思い出せない。
バッグをここに置いて、ゲタバコを開けて、ブーツを履いて・・・。
そんなに置き場所にバリエーションはないはずだが。
つい先日も、出掛けに化粧ポーチがないないと騒いだが、ダンナがあっさり見つけてしまったという事があった。
彼曰く、「ありそうもない場所を探す」とのことだ。
イエッサー、ありそうもない場所を探しますEE:AE5DD
ゲタバコの中、玄関に置きっぱなしのキーボードの裏、灯油のポリタンクの後ろ、ありえないが持ち上げて下まで探した。
ねーしEE:AE474
時間はもうきわどい。この時点で、精一杯走ってバスが遅れてくれればセーフというところだ。
玄関にあるような気がしたが、この思い込みがいけない。
もう片方のブーツも脱いで、リビングに戻る。
テーブルの新聞紙の下、ソファの上、ソファカバーをめくった下、コタツ周り、キッチン。
行っていない場所まで探した。でも見つからないのである。
バスはもう絶望的だ。次は17分後である。これは喜ばしいことなのか。猶予は増えたが、出先でダンナが待っている。
バッグを引っくり返して全部出し、ひとつずつ入れていく。3回目だ。ない。
寝室まで上がって探した。それでもないのだ。もう探せる場所がない。
家を出る時の事を思い出してみる。
上着を着てマフラーを巻いてバッグを持って、火の元確認。
鍵を持って・・・。
実は部屋を出る前に私は、仏壇(仮)に向かって歩きながら手を合わせたのだ。線香をあげる時間がなかったので、「行ってきます」と。
その時に、手に鍵の感触があった。だから玄関にあると思うのだが。
もうやれる事もないし猶予もできたので、リビングに戻って線香をあげることにした。やっつけで手を合わせたので気を悪くしたのかもしれない。
もはや、神頼みレベルである。
玄関に戻る。
フー。座り込む。
もう探す場所がない。でもどこかにあるはずなのだ。
足元に脱いであるダンナの靴を持ち上げて振る。入ってりゃ見えるってEE:AE5B1
反対側のぶー子のブーツも持ち上げる。
ん??
手に違和感。
なぜなら、そこに鍵が引っかかっていたからである。
揃えた1足のブーツの間に、鍵が垂れ下がるように引っかかっている。こ、こんな・・・。
不思議だ。なぜこんなところに。色々と思いをめぐらせてみる。
手から落とす。手に持っていて落とすか??
ポケットに入れてから落ちた??落ちません。
うーん、一度どこかに置いたと思うのだが・・・。
結論。
玄関に来た。
バッグを左に置いた。
鍵を右に置いた。
ブーツを持ってきて履いた。
てこずった。
「ウーーーーーーンッ」の時に、腕かひじが鍵に当たり、それがナーイスショッッ!ホールインワン!・・・こんなところだろうか。
教訓。
ない。
一体何がいけなかったのか。
今後も繰り返す予感だ。