人間のクズ!

敵は自分の中にいる。ちょっとだけ抗ってみたくなった、ぽ子55歳。

ホールインワン

8分後のバス。

準備、オッケー。今出れば、ちょうどいい。今日こそ走らずにバス停まで行くぞ。

上着を着る。

マフラーを巻いて、バッグを持つ。火の元を確認したら、鍵を持って玄関へ。

ブーツを履く。

腰を下ろして、ブーツを足に引っ掛けて引っ張る。

ウーーーーーーンッ。

横着してファスナーを途中までしか下げなかったので、なかなか履けない。

フンンーーーーッ。

いかんいかん、こういうロスが、バス停ダッシュに繋がるのだ。潔くファスナーを下げてから履く。

よしっ、では行ってきまぁすEE:AEB85バッグを持って立ち上がり、鍵を、・・・鍵を・・・。

ないEE:AEB64

またこれEE:AE5B1

出掛けに「鍵がない」という事態は、しょっちゅう起こる。その確率、5回に1回ぐらいか。

特にこのように、「おでかけ」という時に多い。

それにしても、今か。今日こそ走らずに行けそうだったのに。まぁ言い換えれば、その分、探す猶予がある。

ブーツの脱着がロスになるので、片足だけ脱いでピョンピョン跳ねながらリビングに戻る。

テーブルの上。あれ?ない。いつも鍵を掛けているところ。ない。

まぁこんな事もしょっちゅうだ。まだまだ探せる。

ピョンピョン飛んで、玄関に戻る。確かここまでは持ってきたような気がするのだが。でも、どこに置いたのかまるで思い出せない。

バッグをここに置いて、ゲタバコを開けて、ブーツを履いて・・・。

そんなに置き場所にバリエーションはないはずだが。

つい先日も、出掛けに化粧ポーチがないないと騒いだが、ダンナがあっさり見つけてしまったという事があった。

彼曰く、「ありそうもない場所を探す」とのことだ。

イエッサー、ありそうもない場所を探しますEE:AE5DD

ゲタバコの中、玄関に置きっぱなしのキーボードの裏、灯油のポリタンクの後ろ、ありえないが持ち上げて下まで探した。

ねーしEE:AE474

時間はもうきわどい。この時点で、精一杯走ってバスが遅れてくれればセーフというところだ。

玄関にあるような気がしたが、この思い込みがいけない。

もう片方のブーツも脱いで、リビングに戻る。

テーブルの新聞紙の下、ソファの上、ソファカバーをめくった下、コタツ周り、キッチン。

行っていない場所まで探した。でも見つからないのである。

バスはもう絶望的だ。次は17分後である。これは喜ばしいことなのか。猶予は増えたが、出先でダンナが待っている。

バッグを引っくり返して全部出し、ひとつずつ入れていく。3回目だ。ない。

寝室まで上がって探した。それでもないのだ。もう探せる場所がない。

家を出る時の事を思い出してみる。

上着を着てマフラーを巻いてバッグを持って、火の元確認。

鍵を持って・・・。

実は部屋を出る前に私は、仏壇(仮)に向かって歩きながら手を合わせたのだ。線香をあげる時間がなかったので、「行ってきます」と。

その時に、手に鍵の感触があった。だから玄関にあると思うのだが。

もうやれる事もないし猶予もできたので、リビングに戻って線香をあげることにした。やっつけで手を合わせたので気を悪くしたのかもしれない。

もはや、神頼みレベルである。

玄関に戻る。

フー。座り込む。

もう探す場所がない。でもどこかにあるはずなのだ。

足元に脱いであるダンナの靴を持ち上げて振る。入ってりゃ見えるってEE:AE5B1

反対側のぶー子のブーツも持ち上げる。

ん??

手に違和感。

なぜなら、そこに鍵が引っかかっていたからである。

揃えた1足のブーツの間に、鍵が垂れ下がるように引っかかっている。こ、こんな・・・。

不思議だ。なぜこんなところに。色々と思いをめぐらせてみる。

手から落とす。手に持っていて落とすか??

ポケットに入れてから落ちた??落ちません。

うーん、一度どこかに置いたと思うのだが・・・。

結論。

玄関に来た。

バッグを左に置いた。

鍵を右に置いた。

ブーツを持ってきて履いた。

てこずった。

「ウーーーーーーンッ」の時に、腕かひじが鍵に当たり、それがナーイスショッッ!ホールインワン!・・・こんなところだろうか。

教訓。

ない。

一体何がいけなかったのか。

今後も繰り返す予感だ。