エル、ラリ期に突入。
一体彼女に何が起こっているのかは分からないが、とにかく鳴きっぱなしだ。
文字通り鳴きっぱなしで、「ニャーニャーニャーニャーニャーEE:AE4E5」と絶え間なく鳴き続けている。
お腹をさするか一緒に寝るかすれば鳴き止むが、これは発情期とはちょっと違う。
時期的に関係はありそうだが、鳴き方も要求も違うので分かる。
もう初めてのことではないので焦りや驚きはないが、原因が分からないだけに心配ではある。
お母さんはね、鳴かれると辛いのだよ。
病院でもハッキリしない、ネットでも例が見当たらない、諦め半分でエルを抱いてはお腹をさする。
夜泣きで途方に暮れている母親の気持ちである。
そんな状態だったからだと思いたいが、ちょっとした騒ぎが起こってしまった。
猫同士の騒ぎだが、2階から下りて来たミをリビングに入れてやったら、突然エルが猛攻撃を始めたのである。
本気モードだ。
引き離そうとしてもガウウ、と暴れて手がつけられず、血を見る覚悟で突っ込んだ。
やっとミから剥がれたエルは、今度は私を蹴飛ばしてラに向かっていった。
飛びかかり、牙をむき、蹴り上げ、引っ掻く。
この時私は、デブよりもチビの方が強いという事を知った。
ラは逃げようとするが、小回りがきかないのか振り切れないのである。
これも苦労して引き離したが、口の辺りが生暖かいので拭うと、血糊が手の甲についたので驚いた。
恐らく、暴れたエルに引っ掻かれたのだろう。
急いでエルだけ2階の寝室に隔離したが、一体何が起こったのか??
特に仲が良かった訳ではないが、それなりに上手くやってきたじゃないか。
私は、家庭内暴力により一家が崩壊していくのを感じた。
この子達はどうなるんだろう??
騒ぎを聞いて風呂から飛び出してきた娘ぶー子は、私の顔を見て「ちょっ、何、どうしたの!?」とたまげていた。
私はネットで見た事例を挙げ(それは相手が飼い主だったが、突然豹変してしまった猫の話があったのだ)、「もうウチもダメかもしれない・・・。」と呟くと、「いやー、今エル、ラリッてるから、ミがよその猫だと思ったんじゃないの?」と冷静に言った。
そう言えば以前、庭によその猫が来た時も、同じようなことになったのだ。
だといいが、勘違いした方はとにかく、勘違いされたラとミは、しばらくエルが怖いだろう。
被害のなかった大五郎だけが悠々と寝ている。