相変わらずエルはラともミともつるまず、単独行動をとっている。
ラの方は時々舐めてやろうとしているのを見るが、エルは「ちょっと止めて下さらない!?EE:AE4E5」とばかりにすり抜けていく。
ミは全くの無関心だが、可哀相に、時々意味もなくエルにひっぱたかれている。
そんな感じで関係は定着していた。
ところが昨日、エルが大人しくラに舐められていたのだ。
おお、と喜びたいところだが、その時エルはレジ袋に頭を突っ込んで、夢中になって袋を舐めていたのだ。
何だかばっちくて嫌なのだが、エルはレジ袋を舐めるのが大好きなのだ。
これでも舐められないように気をつけているつもりなのだが、いかんせんぽ子はズボラなので、買い物したまま冷やすものだけ冷蔵庫に入れてほったらかしてしまうのである。
そんなエルの背中を甲斐甲斐しく舐めてあげるラ。
食い意地張ってふてぶてしいところもあるが、お前は本当に優しい子だねぇ。
でもこれは単にレジ袋に魂抜かれているだけなんだよ、ラ。
微笑ましいのでしばらく見ていたが。
夜になると、みんな思い思いの場所でくつろいでいた。
部屋の中が暑かったので窓を開けて網戸にしていたが、くつろいでいたエルが突然そちらに向かって行き、唸り始めた。
見ると、お客さんである。
大きな猫だが、あちらさんは鳴きもせず、ずっとこっちを見ている。
かなり接近していたが、エルはクンクンと臭いを嗅いではウーウー唸る。
その様子で異変を感じたラがエルの後ろから近づいていったのだが、エルにしてみたら急に気配を感じて振り返ったそこに猫がいたのである。
ぶったまげたエルは飛び上がってシュシュシューと憤慨し、ラを引っ掻き、殴り、飛びかかった。
ぶったまげたのはラの方も同じで、反射的に逃げに入った。
尻尾はタヌキのように膨らんでいる。
一度離れた2匹だがエルの興奮は収まらず、再びラに向かって突進して行った。
パニックとはこの事である。
エルも、私も、ダンナも、ぶー子も、ラを除くみんなが誰かしらを追い、何も捕まえることができないでいた。
ぶー子が引っかかれることによって何とか間に割って入ることができたが、本当に驚いた。
ラとミはこのような事になった事はないのだが、エルは時々パニックを起こす。
その都度流血の惨事となるが、今回の尊い犠牲はぶー子であった。
1日経ったが、何事もなかったように、皆また思い思いの場所でくつろいでいる。
ラはまたエルを舐めようとするだろうし、ミはまた引っぱたかれるのだろう。
姉やん猫の優しさの上に、エルの安定した生活があるのだ。
でっかいほうもいっぱい可愛がってあげんとなぁ~~EE:AEB80