子猫が私達の家族となって別れを回避する事はできたが、ちょっと困った事がひとつある。
名前だ。
この子には一応、貰い手であった上司アンガ夫妻がつけてくれた名前があった。
「ルル」という名前で、この可愛らしい音とエルの兄弟分とも思える名前に、私は夫妻の優しさを感じたのであった。
しかしだ。
エルとルルが一緒に暮らすのでは、猫らに混乱を来たしてしまうのではないだろうか。
音があまりにも似ているのである。
申し訳ないが、名前は変えさせてもらうことにした。
しかし急に言われても、さっきまで「ルル」だったのだ、そう簡単には決まらない。
ぶー子は最初に子猫を見たときから勝手に「大五郎」と呼んでいた。
「ルルになったよ。」というと時々なぜか恥らいながら「・・・ルルEE:AEAC5」と呼んではいたが、大五郎とのちゃんぽんであった。
ところで、初めて病院に連れて行った時にはまだ名なしだったのだが、あそこでは名前を記入しなくてはならない。
仕方なく大五郎と書いたが、どうしても「五」が思い浮かばずに何かおかしいと思いつつ「大吾郎」としてしまったのだった。
後でぶー子に違う!!と怒られたが、同じじゃないのか、驚きである。
さて、その後は「ルル」として生活していたが、実は名前はその時の気分でコロコロ変わってはいた。
多くは「チビ」とか「クロちゃん」とか見た目のままだったが、小さいから「チッタンコ」と言ってみたらこれが面白くて、そんな風に呼ぶことも多かった。
しかしルルが却下となると、真面目に名前を考えなくてはならない。
ぶー子はやはり「大五郎EE:AE4E5」と譲らす、私は「黒猫ベック」と主張する。
ダンナは弱々しく「ヤ、ヤマト・・・、クロネコだから・・・。」と言ったが、私とぶー子の言い合いを見て、「なんちゃって、冗談です・・・。」とそれは引っ込めた。
引っ込めたら引っ込めたで「じゃあ大五郎とベックとどっちがいいのEE:AE4E5」と詰め寄られ、「どっちもいいと思う、どっちもEE:AEB64」と逃げていた。
「分かった、じゃあ大ベック郎は??」
大ベック郎!!
「大日本人」みたいな壮大な感じが素晴らしい。
ぶー子の冗談だが、私はちょっと悪くないと思っている。
でも診察券に書くのはちょっと恥ずかしいなぁ。
大五郎か・・・。
分からなくはない、うちに来たときは本当に小熊みたいで「ダイゴロー」な雰囲気であった。
しかし焼酎みたいなのが気に入らない。
ベックでいいじゃん、もう。
私が一番面倒みてるんだぞEE:AEACE